研究課題/領域番号 |
22K00651
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
高橋 薫 創価大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70597195)
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研究分担者 |
保坂 敏子 日本大学, 大学院総合社会情報研究科, 教授 (00409137)
藤本 かおる 武蔵野大学, グローバル学部, 准教授 (20781355)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | オンライン授業 / ICT / 同価値理論 / 教師の困難感 / 生成AI / 著作権 / 学びの最適化 / 日本語教育 / 質保証 / 学習環境デザイン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、オンライン授業を対面授業の「代替」から「拡大」へと強化し、「変形」「再定義」へと変換させ、授業の質の担保や効果的な学習環境デザインを明らかにすることを目的とする。同価値理論の考え方は、社会の変化に伴い急速にオンライン化が進み、混乱する教育現場に発想の転換を迫るものであった。しかし、これはあくまでも理論であり、実際の教育が同価値であるかどうかは十分に検証されていない。本研究ではオンライン授業と対面授業の学習成果を比較し、その検証を試みる。加えて、対面授業と同価値の学びを導くオンライン授業のデザインに何が必要なのかを明らかにし、オンラインによる学習環境デザインを再考する手がかりを得る。
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研究実績の概要 |
当該年度の主な実績は次の通り。 1)オンライン授業での教師の困難感:オンライン授業の実践における困難感についてアンケート調査を実施し、Anderson & Archer (1999)の「プレゼンス(presence)」(教授的存在感(TP)、社会的存在感(SP)、認知的存在感(CP))の観点から分析を行った。アンケートの言説を分析した結果、教師の困難感は対面授業と同じような行動ができないこと(TP)が中心で、SP と CP へは配慮不足であったこと、また、困難感はオンラインを対面に戻しただけでは解決できない可能性があることがわかった。 2)オンライン授業は対面授業と同価値の学びを導くか:ICTを活用した日本語教育を行っている研究協力校でコロナ前の対面授業とコロナ後のオンライン授業の学習成果を比較する定量的な研究を行った。その結果、対面授業とオンライン授業の学習成果には有意差は見られなかった。 3)HyFlex型授業での熟達した教員の振る舞い:HyFlex型授業で対面学生とオンライン学生の双方と円滑なやりとりを行っている熟達した教員の振る舞いを会話分析により記述を試みた。その結果、指名や発問の組み立て、それに付随する視線や体の向きなどによって、PCと教室の両空間をうまく移動し、従来の教室運営のように、先々の活動を想定しながら進めていることがわかった。 4)ICT活用のためのタペストリー・アプローチ:オンライン授業で培ったICTの活用の成果をどのように対面授業にも活かしていくか、ICT活用のためのタペストリー・アプローチを提案した。5)生成AI時代の日本語教育と著作権を考えるセミナーの開発:生成 AI が作成した作品は著作物にあたるのか、著作者は誰になるのか、生成 AI を利用して教材を作成したり、授業の過程で導入する場合に何に配慮する必要があるのかなど、教師の疑問を集約しその問いに答える著作権セミナーを開発し実践した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウィズコロナの教育現場では、教育のデジタル化、リモート化、オンライン化が急速に進み、日本語教育の現場でも多くの実践知が積み重ねられていったことから、本研究では、関連する15の学会発表を行って現状を整理し、2つの論文を発表した。加えて、教育現場でどのように生成AIと向き合うべきかが問われるようになってきたことから、生成AI時代の日本語教育と著作権を考えるセミナーの開発と実践を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2024年2月に実施した「生成AI時代の日本語教育と著作権を考えるセミナー」の開発研究は、2024年第7回AIと日本語教育国際シンポジウム(採択済み)で報告予定である。加えて、これまでに学会発表した内容の論文化、書籍化を進めていく予定である。
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