研究課題/領域番号 |
22K00665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大和 祐子 大阪大学, 日本語日本文化教育センター, 准教授 (80707448)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 日本語教育 / 日本語非母語話者 / 日本語テキスト処理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,①日本語非母語話者のテキスト読みのオンライン処理を通じて,テキスト内のどのような語に注意を向け,どのような過程を経て日本語のテキストを理解しようとしていくのか,②テキスト処理の中で問題になると思われる未知語を日本語非母語話者自身がどう理解しようと工夫しているのかという点を明らかにする。あわせて,日本語非母語話者のテキストの読み処理の過程に読み手である日本語非母語話者の母語や日本語の語彙知識がどう影響しているかについても考察し,日本語非母語話者の日本語支援に有益な情報を提供する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本語非母語話者による日本語で書かれたテキスト(文章)の読みの過程を明らかにするものである。読みの過程を知るために、できるだけ日本語非母語話者でも接すると考えられるテキストを収集する必要がある。今年度は、まず、次年度以降実施する予定であるテキストの読み過程を知る実験に使用するテキストを収集した。 また、実験刺激のテキスト収集の作業と並行して、実験に使用する機器およびソフトウェアの設定および操作を習得することに努め、次年度以降効率的に実験が遂行できるよう準備を進めた。 さらに、日本語のテキストの中には必ず現れる漢字語彙が、日本語学習者にとってどのように誤認される恐れがあるのか知るために、学習者がどのような漢字語彙を読み誤るかを非漢字系学習者に対して調査した。その結果、漢字の読み誤りには「妹」と「あね」と読んでしまうなど、同じカテゴリの別の語と混同してしまうケースが全体の読み誤りの10%程度、字形が類似した別の語と混同してしまうケースが1%弱あることがわかった。ただし、この調査では、あえて漢字の意味を推測できない程度の短い一文に含まれる漢字語彙の調査対象の語としたため、テキストの中で同じ語を問うとき、意味はより推測しやすくなると予想される。また、調査の対象は母語の書字形態に漢字がない、いわゆる非漢字系学習者であったが、漢字系学習者では異なる特徴がみられる可能性もある。さらに、日本語のテキストに含まれるのは、カタカナ表記の外来語もあるため、その意味理解についても調査したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次年度以降実施する実験に必要な素材(日本語テキスト)と実験機器・ソフトウェアの準備が進んでいる。また、当初計画にはなかった意味の推測が容易ではない状況下での漢字語彙の理解について、非漢字系学習者を対象に調査することができた。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
実験で使用する日本語テキストの準備をさらに進める。加えて、推測が容易ではない状況下で、漢字系学習者、非漢字系学習者がそれぞれ漢字語およびカタカナ表記の外来語を理解するかもあわせて調査を行っていきたい。
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