研究課題/領域番号 |
22K00675
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山本 志都 東海大学, 文学部, 教授 (30336424)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 異文化感受性 / DMIS / 異文化コミュニケーション / 異文化間教育 / 外国籍メンバー / 外国人人材 / 異文化間協働 / 外国籍労働者 / 多文化組織 |
研究開始時の研究の概要 |
海外からの労働者受け入れの増加という社会現象に対して、外国籍メンバーへの教育については日本語教育を含めた議論がなされている。一方で、受け入れる組織の日本側メンバーがこの変化に適応するための教育については議論が進んでいない。本研究は、職場で外国籍メンバーと共に働く日本側メンバーの異文化感受性(どれくらいの繊細さによってどこにどのような違いを見出すか、また違いを感じ取ったときどのように反応するか)を明らかにする。それぞれの発達段階における日本側メンバーが外国籍メンバーとの相互作用に何を想定しているかを予測し、その状態から次の発達を促して、外国籍メンバーとの協働を促進するための教育を提案したい。
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研究実績の概要 |
本研究は、外国籍メンバーと協働する日本側メンバーの異文化感受性およびその発達過程を明らかにし、発達に応じた学習を具体的に提案することを目的としている。また、異文化感受性発達モデルの理論的精緻化にも貢献するものである。
2023年度は教育的課題の側面において研究を進めた。異文化感受性発達モデルの理論的基盤は知覚構成主義にあり、この認識論に基づく教育手法を追求した。異文化コミュニケーション学会では「パラダイムの転換を図る異文化コミュニケーションのための教授法」と題し、構成主義的な教授法のワークショップを3回シリーズで行った:「異文化コミュニケーションに今、何ができるのか?」(6月定例会)、「ステレオタイプを乗り越える」(7月定例会)、「異文化コミュニケーション教育の新たな出発点」(9月定例会)。この過程で異文化感受性発達モデルの提唱者であるMilton Bennett博士と教育的課題について議論し、考察を深めた。9月定例会においては共同で発表を行った。
研究報告としては、異文化コミュニケーション学会第38回年次大会において、異文化感受性の発達における最終段階の「統合」の概念を考察した「What is ‘Integration’ of the DMIS?」(共同発表者:Milton Bennett, 石黒武人)、および「“小さな他者性”を探求する異文化コミュニケーションの学び:“〈異〉を語ろう”プレゼンテーションの分析」を報告した。後者では「有標/無標」の概念を活用し、個別のコンテクストに立ち現れる立場性の違いに目を向けさせる教育法が、異文化や異質性に対する微細な感覚を発達させることをデータに基づき分析して報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度に行った調査を基にして、2023年度は外国籍メンバーと協働する場面での異文化感受性についてのアンケート調査を行う予定であった。アンケート項目を作成し、東海大学の人を対象とする研究に関する倫理委員会に調査許可を得るための申請を行った。一般の社会人と学生の両方を調査対象にする計画であったが、学生に対する調査に許可が下りず、社会人に対する調査法についても制約があり、調査方法の練り直しが必要となった。2023年度内に再度申請をして調査を開始することが困難になり調査に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の東海大学の人を対象とする研究に関する倫理委員会からのフィードバックに基づき調査方法を変更して、2024年度は再度調査申請を行い、アンケート調査を実施する計画である。アンケート項目も改めて検討することにする。個人の異文化感受性だけでなく、「個人が認識する職場環境の異文化感受性のあり方」を含めた調査を行うことによって、外国籍メンバーと日本側メンバーの協働が行いやすい環境についても調査していきたい。
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