研究課題/領域番号 |
22K00684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
今井 典子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (30510292)
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研究分担者 |
多良 静也 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (00294819)
杉浦 理恵 東海大学, 国際文化学部, 教授 (60413738)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | インプット・フラッド (input flood) / 思考力(HOTS & LOTS) / リーディング / 課題解決型言語活動 / 中学校教科書 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の英語学習環境では、英語に触れる絶対時間数が少ないだけでなく、教科書で取り扱う新出の文法項目の再出頻度も不十分である。そのため本研究では、効率的に文法の定着を図り発信力へとつなげていくことができる方法を明らかにし提案する。 具体的には、中学校での「読むこと」の活動に焦点を当て、(1)input floodの手法を用い、「段階的に文法構造と語彙数」を変化させたリーディング教材を作成し、(2)リーディング教材と有機的な連携を図った、言語形式にも注意を向けさせるポスト活動(思考力にも着目)を開発し、有効性を検証する。(3)リーディング教材とポスト活動を連携させたシラバスを作成し提案する。
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研究実績の概要 |
・本研究では、Input flood の手法を用いた文法事項の定着を目ざしたリーディング教材を策定し(「読むこと」では意味処理が必要)、さらに、連動させる文法指導につながる効果的なポスト活動(統語処理が求められる「話すこと」と「書くこと」の活動を検討)を検証することである。特に、実証検証授業で取りあげる文法事項に関して、先行研究などを基に慎重に議論し、「受け身」に決定できた。 ・リーディング教材に関連して、対象となる中学校検定教科書6社3学年分すべてのreadabilityを調査し結果をまとめた。また、教科書分析に際し、音源が入手可能であった5社3学年分のWPM (words per minute) を調査し結果をまとめた。 ・実証検証授業の目標文法事項を「受け身」と決定したことを受け、「受け身」に関する予備調査の結果を「検定教科書における『受け身』の出現状況―中高の接続の観点から―」の論文としてまとめ公表した。これにより、検定教科書6社での取り扱い状況(導入時期、出現頻度など)、困難さを引き起こす要因の考察(「日本語の間接受身の影響」と「Useの視点」から)などを明らかにし、2年目の実証検証授業につなげることができた。 ・検証授業で使用するInput floodとして提示するリーディング教材、リーディング教材後に実施する課題解決型言語活動の議論が十分にでき、その方向性を定めた。また、検証授業の効果を測る、筆記試験(pre-test / post-test / delayed post-test)と情意アンケート(事前と事後)もおおむね確定させることができた。 ・検証授業の協力校も確定し、2年目に実施する検証授業への準備は十分整ったと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・本年度当初の計画通り、リーディング教材に関連して、対象となる中学校検定教科書6社3学年分すべてのreadabilityを調査し、Input floodとして提示するリーディング教材のReadabilityの目安を確認することができた。また、教科書分析に際し、音源が入手可能であった5社3学年分すべてのWPM (words per minute) を調査し、生徒に聞かせる英文スピードの目安を確認できた。 ・2年目に実施する実証検証授業の目標文法事項は、日本人学習者にとって困難であるとされる「受け身」とし、それに伴い調査学年を3年生に決定した。「受け身」に関する予備調査の結果を「検定教科書における『受け身』の出現状況―中高の接続の観点から―」の論文としてまとめ公表した。具体的には、検定教科書6社での取り扱い状況(導入時期、出現頻度など)の調査結果、困難さを引き起こす要因の考察(「日本語の間接受身の影響」と「Useの視点」から)、「間接受身」の理解の実態の考察(中・高で学んだ大学生を対象とした調査分析)をまとめている。加えて、高等学校検定教科書である「英語コミュニケーションⅠ」の全24冊での取り扱い状況を調査し、中高の接続の観点からも示唆を述べている。 ・実証検証授業の協力校として中学校2校が決定している。また、使用する検証授業の効果を測る、筆記試験(pre-test / post-test / delayed post-test)と情意アンケート(事前と事後)の準備はできている。特に筆記試験問題は、「イラストを用いた問題」、「場面・状況を提示した選択式問題」など大問として5つ出題する方向に決まり、具体的に問題を作成した。その際に、選択問題の自信度を3段階で回答させる方式を採用することとした。 ・リーディング教材後に実施する課題解決型言語活動を検討し、作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
・4月~7月→現在作成している筆記試験問題の項目弁別力指数を確認し、問題を精査するため、実証検証授業を実施する本調査校とは異なる複数の公立中学校でPilot Studyとして調査する予定である。その結果を受けて本調査で使用する問題を決定する。リーディング教材、課題解決型言語活動について議論し、確定をする。また活動後の「振り返りシート」の内容を検討するとともに、2学期に実施する本調査である検証授業の指導案を作成し、8月の打ち合わせに向けて準備する。本調査の協力校である2校への依頼文書を作成するとともに学校長への挨拶のため学校訪問をする。 ・8月~9月→本調査で協力いただく2校の担当教員に指導案を基に説明し、打ち合わせを行なう。実証授業で使用する、筆記試験(pre-test / post-test / delayed post-testmの3回分)と情意アンケート(事前と事後の2回分)、振り返りシート、課題解決型言語活動シート、など印刷物の準備をする。 ・10月~12月→協力校2校での実証検証授業を実施する。Input floodとして提示するリーディング教材、その理解を図る活動、課題解決型言語活動の実施、振り返りシートの記入の際には、現場の担当教員と共に、研究代表者、及び研究分担者も協力して進める。 ・1月~3月→筆記試験(pre-test / post-test / delayed post-testmの3回分)と情意アンケート(事前と事後の2回分)、振り返りシート、それぞれ2校分のデータ入力、結果分析(量的分析と質的分析)、考察の予定である。それらを踏まえて、次年度の学会発表に向けた準備に取りかかるとともに、3年目の活動内容を議論する(研究報告書、中学校現場教育で活用いただく冊子の作成、研修会の計画など)。
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