研究課題/領域番号 |
22K00713
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
斉藤 信浩 九州大学, 留学生センター, 准教授 (20600125)
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研究分担者 |
金 亨貞 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (20457419)
小島 大輝 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (20712178)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 韓国語習得 / 韓国語テスト / 韓国語語彙 / 韓国語助詞 / 項目応答理論 / 韓国語教育 / 第二言語習得 / 問題バンク / レベル測定 |
研究開始時の研究の概要 |
言語習得の調査研究のためには,実験や調査時点で被験者の言語能力を証明する必要がある。そのためには簡易な言語能力測定テストが求められる。韓国語の習得研究では,語彙・文法・聴解の能力測定テストが開発されているものの,その全体的な測定力は未確認であり,運用上の簡便さも欠いている。本研究では,測定力を保障するための指標を算出する項目応答理論(Item Response Theory; IRT)を用いて,従来の測定テストの改良と問題バンク化を行い,これらをデータベース化し,タッチパネルで利用できる測定ツールを作成するのが目的である。
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研究実績の概要 |
第二外国語として韓国語を学ぶ日本人の韓国語能力を測定する韓国語テストの開発のために、まず、韓国語能力検定試験(TOPIK)に既出の出題語彙を、初級・中級・高級を基準に、120語を選定した。120語は、初級12(形容詞4、動詞4、名詞4)、中級12(形容詞4、動詞4、名詞4)、中上級12 (形容詞4、動詞4、名詞4)、上級12(形容詞4、動詞4、名詞4)、超級12(形容詞4、動詞4、名詞4)の4つのセクションから成っている。それぞれの品詞は、語種(固有語2、漢字語2)に細分化されている。これらを四肢選択式問題として作成した。次に、斉藤・小島(2018)をベースに48問から成る助詞の穴埋めテストを作成した。助詞の穴埋めテストはカッコ内に適切な助詞を入れる点で産出テストとなっている。これらの2つのテスト(韓国語語彙能力テスト120問、韓国語助詞テスト48問)を、関西の某私大で、6名によるパイロット調査を実施した。その結果、各レベルの平均点が、初級0.46、中級0.42、中上級0.36、上級0.40、超級0.30、という形で現れた。上級がやや高い平均点になっているが、パイロットとしては十分な得点並びだったと言える。これを語種別に分けた場合と、品詞別に分けた場合では、得点の出方に各項で大きなバラつきがあり、改善が必要だが、本調査自体がこれらの項目の測定力の高低をT-TADで測定して篩い落とすことが目的であるため、このまま本調査に進む。助詞の算出テストは、主題87.5、対格79.2、主格70.8、位格58.3、場所格25.0、具格20.8、与格29.2、奪格0.0、共同格25.0、比較16.7、のように正答率が得られ、斉藤・小島(2018)で予測していた助詞の習得順序に概ね準ずる結果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度の前半まではコロナの影響が残っており、実地調査をすることが難しかったが、問題項目を作成し、 年度末にはパイロット調査を実施することができた。遅延の最大の理由は、研究代表者の所属大学が変わったことによる影響が大きい。しかし、パイロット調査は終わっているので、この後、本格的な本調査に入ることで遅れを取り戻したい。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要で報告したパイロット調査の結果をもとに、今年度は夏をめどに本調査を実施する。予定数は40から60名程度を計画している。本調査で得られた数値を項目応答理論に従ってT-DAPによる分析を行い、項目適切度を算出し、語彙能力テストのうちで測定力が高いものを選抜し60問の語彙テストのセットを完成させる予定である。合わせて助詞の算出テストと語彙テストを回帰分析の手法で分析し、助詞の習得順序の中身を探る予定である。
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