研究課題/領域番号 |
22K00730
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
市川 裕理 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 准教授 (50782596)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 協働対話 / 適切性 / ランゲージング / プロダクション / 語学学習 / 動画作成 / 台本作成 / SDGs / 協働学習 / 英語授業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、英語授業におけるグループワーク(話し合い)に注目し、協働対話によって言語に対する理解と英語表現の更新がどのように行われるかを明らかにするものである。今後英語教育ではGoogle翻訳などで担保される表面上の正確性ではなく、場面や文脈に合った英語表現を選び取っていく適切性を育成するべきであると考える。この研究では協働対話とプロダクションの関連を明らかにし、効果的な協働対話のあり方を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究は、英語授業におけるグループワーク(話し合い)に注目し、協働対話による言語理解の深まりと言語使用の更新について、ランゲージングを用いて分析・考察する。そして、語学学習においてプロダクションにつながる協働対話のあり方を提案することを目的としている。本年度は適切性を模索する対話が、学習者の知識構築をより促しているという研究結果(市川、2021)に基づき、協働対話におけるランゲージングの質と量、実際のプロダクションの関連について分析を行った。分析資料は、英語動画作成における台本を修正するグループでの対話を文字データに起こしたものと、完成動画とその台本である。各グループの対話からエピソードを取り出し、文脈を考慮した話し合いがなされているエピソード数とその発言数を示した。次に完成動画におけるスピーチアクトについて、Popovici(2019)を参考に、5つのリッカート尺度で適切性を英語教員とネイティブ教員で評価した。ここで得られた対話における文脈を考慮した発言合計数と、スピーチアクトの適切性評価について統計上有意差が見られた。よって、適切性を模索する対話が多いほど、プロダクションの適切性も高くなることが示唆された。ただし、グループメンバーにおける動画作成タスクの負荷を感じる度合いやトピックの背景知識の理解の違いが、協働対話とプロダクションの質に影響を及ぼしている様子も見受けられた。このことから、協働対話で扱う教材についても検証する必要性が出てきた。これらのことについて、学会等で成果をまとめ発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
協働対話とプロダクションの関連については、実践と分析を重ねている。発達段階の違いによる比較検証を行う部分について、コロナ禍により他校での調査や教育実践が制限されたため、次年度に予定している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究では、協働対話におけるランゲージングの質と量と実際のプロダクションについて分析を行い、適切性という側面から両者の関連を明らかにした。英文作成において機械翻訳や生成系AIの活用が高まる中、「どのように伝えるか」という適切性に影響を及ぼす要因について言及し、効果的な言語活動を提案することを目指す。次年度は、プロダクションにより焦点を置き、適切性の分析方法と教育実践における評価のあり方について検討する予定である。また、昨年度制限された他校種での調査と実践も行い、発達段階の違いによる協働対話とプロダクションの相違点についても検証する。
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