研究課題/領域番号 |
22K00743
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
中田 達也 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 教授 (00758188)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 外国語教育 / 英語教育 / 第二言語習得 / 語彙習得 / 分散効果 / クラウド / 集中学習 / 分散学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、外国語における語彙習得において、拡張分散学習が果たす役割を調査することである。拡張分散学習とは、復習間隔を徐々に長くしていくスケジュールを指す。多くの研究者は、拡張分散学習が最も効果的な復習スケジュールであると主張してきた。しかしながら、近年の研究では、拡張分散学習は外国語における語彙習得を必ずしも促進しないという結果が得られている。本研究は、クラウドによるデータ収集を行うことで、これまでの研究よりも大規模、かつ長期間にわたって拡張分散学習の効果を検証する。本研究を行うことで、効果的な語彙学習法および教材を開発・提案することが可能になる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、外国語における語彙習得において、拡張分散学習が果たす役割を調査することである。拡張分散学習とは、「1週間後→2週間後→3週間後」というように、復習間隔を徐々に長くしていくスケジュールを指す。本研究は、クラウドによるデータ収集を行うことで、これまでの研究よりも大規模、かつ長期間にわたって拡張分散学習の効果を検証することを目指すものである。 2023年度は、以下の4点を行った。第1に、2022年度に行った実験をもとに論文を執筆し、査読付き国際誌に投稿した。研究では、クラウドにより収集された語彙習得データの質を検証するため、Cepeda et al. (2009)の追実験をオンラインで行った。参加者は569人の英語母語話者であった。対面により収集されたCepeda et al. (2009)のデータと比較したところ、オンライン参加者の方が実験の完了率が低く、事後テスト得点も約10%~20%低いことが示された。この結果から、オンライン実験で妥当性の高いデータを収集するために必要な指針が得られた。投稿した論文は査読結果をもとに修正し、再投稿した。 第2に、拡張分散学習の効果を検証するための実験をクラウドにより行った。実験参加者はProlific Academicで募り、実験にはGorilla Experimental Builderを使用した。現在、収集したデータを分析し、論文執筆の準備を行っている。 第3に、研究課題に関連した書籍1冊および論文2本を執筆した。論文のうち1本は、査読付き国際誌TESOL Journal (Wiley)に掲載された。 第4に、研究課題に関連した研究発表を4件行った。その内の1件は58th RELC International Conference (シンガポール)における基調講演であった。また、外国語教育メディア学会関西支部基礎理論研究部会主催公開講演会における招待講演も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度には、以下の2点を行うことを目標としていた:(1) 2022年度に収集したデータを分析・考察し、研究成果を査読付き国際誌に投稿する。(2) 英語の母語話者を対象としたオンライン実験を行い、外国語における語彙習得において、拡張分散学習が果たす役割を調査する。当初の予定通り(1)~(2)を遂行することが出来たため、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は2023年度から実施しているオンライン実験を継続する。さらに、オンライン実験により収集したデータを線形効果モデル(linear mixed-effects modeling)を用いて分析する。研究成果を踏まえて語彙習得を促進するための具体的な方法を考察し、効果的な語彙習得教材およびカリキュラムの開発・提案を行う。さらに研究成果を査読付き国際誌に投稿する。
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