研究課題/領域番号 |
22K00757
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
安部 由美子 広島工業大学, 工学部, 准教授 (00592346)
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研究分担者 |
J・A Elwood 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (00400614)
益子 行弘 浦和大学, 社会学部, 准教授 (40550885)
小林 和歌子 日本大学, 文理学部, 教授 (40734174)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 外国語教育 / 反転学習 / 異文化コミュニケーション / MOOC / 課題解決型学習 / 協調学習 / SDGs |
研究開始時の研究の概要 |
近年、COIL型教育をはじめとする多様なオンライン教育を融合した国際教育実践が注目されており、新たな国際交流の形としての活用が期待されている。また、持続可能な開発目標(SDGs)に向けて、それを培う教育、課題発見・解決能力型の探究学習、実践が求められている。そこで、本研究では、日本人大学生とマレーシア人大学生を対象に、反転学習としてSDGsに関連したMOOC(大規模公開オンライン講座)を活用し、課題を解決する協調学習を行い、英語学習意欲や態度、英語力の育成に有効なのか、それらの要因との関係性について検討する。これにより、問題解決力育成の可能性、意欲や英語力に及ぼす影響を示そうとするものである。
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研究実績の概要 |
本研究では、MOOCを反転学習の教材とした課題解決型英語学習(PBL)を導入し、国内の2つの大学の英語中級レベルの日本人大学生と同じアジア圏で英語を公用語とするマレーシア大学生、フィリピンの大学生とを実験協力者とし、課題を解決する海外連携の遠隔学習を一定期間行い、英語学習意欲や態度、英語力の育成に有効なのか、それらの要因との関係性について調査した。 本年度の調査内容は、前年度の結果について、同じ条件下で調査を続け、問題解決志向、英語のコミュニケーション意欲、動機付け、自己効力感にどのような関係があるのか、また国籍により認識の差が生じるかを検討するために、データ分析を行った。 実験データから、相手国、及び日本人学習者において、MOOCを用いた課題解決型英語学習(PBL)に対する満足度は高く、自己効力感、コミュニケーション意欲、内発的動機付けが、実践後に上昇していたことからも、課題解決型英語学習が英語学習意欲や態度に役立っているものと考えられる。また、両国の英語力に関わらず、自己効力感が高いほど、コミュニケーション意欲が高くなる傾向がみられた。 さらに、内発的動機付けが高いほどコミュニケーション意欲も高く、コミュニケーション意欲が高いほど、ポジティブな問題解決志向も高い傾向があることがわかった。問題解決志向、自己効力感、コミュニケーション意欲、内発的動機づけは、相互に高めあう関係性があることが示唆された。とりわけ、自己効力感とコミュニケーション意欲尺度間については、最も強い相関がみられた。課題解決型学習におけるMOOCの使用は、各尺度の増加と対応していることからも、今後、さらに検証していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
受講者アンケートを利用した実験データ分析により、相手国、日本人学習者共に満足度は高く、実験前後で自己効力感、コミュニケーション意欲、内発的動機付けが、実践後に上昇していたことから、MOOCを活用した反転学習及び国際協調学習が、英語学習者の意欲や態度、学習成果に効果的であることが示唆された。したがって、当初の予定通り順調に遂行していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度(令和6年度)は、令和5年度の結果について、学習成果や英語能力を従属変数とし、独立変数(国籍、コミュニケーション意欲、動機付け、問題解決志向、自己効力感、コミュニケーション意欲)を複数設定して分析することで、変数間の関係を明らかにする予定である。また、令和4年からのデータの分析、結果を集計し、まとめた報告書をホームページで掲載、国内外での発表、論文投稿などを行う。
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