研究課題/領域番号 |
22K00762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
小林 昌博 鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 教授 (50361150)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 母語干渉 / 過剰受動化 / 受動態 / 過剰産出 / フィードバックモデル / ニューラルネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
昨今、英語学習者のアウトプットを評価するシステムの研究が行われている。ディープラーニングの技術を用いたモデルの問題点として、未知のタスクへの対応力などが挙げられるため、本研究では「reformulation」と呼ばれる、学習者の産出内容をできるだけ保持しながらネイティブの産出文に近づけるようなニューラルネットワークに基づくフィードバックモデルを構築すること目指す。また被験者実験を通して母語干渉の影響を部分的に明らかにすることで第二言語習得研究に関しても貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
英語の受動態は他動詞を受動化することで生成されるが、英語学習者は自動詞に対しても同様に受動化の操作を加えて過剰に受動構文を生成する傾向があることが知られている。令和5年度は、前年度に引き続き日本人英語学習者の英語受動態の過剰産出を現象としてとりあげ、母語知識がどの程度過剰産出の引き金となっているかを調査した。実験のデザインとして、日本語の自動詞構文の中でも直接英文にしにくい「間接受動構文」を対象にして、「間接受動構文」を英語に直訳した文の文法性判断と非対格自動詞や非能格自動詞の受動文との文法性判断との相関性を調べた。目的としては日本語では文法的であるが英語としては非文法的となる「間接受動文」の受容度を日本語知識の介入とみなし、それと自動詞の受動態の受容度とどのような相関性があるかを調べることとした。被験者に対して非対格自動詞の受動構文(他動詞交替有りと無しパターンの両方を含む)と非能格動詞の受動構文、そして「間接受動文」および錯乱文をまぜたテストを実施した。結果は、それぞれの構文に関するテスト項目の信頼性をマクドナルドのオメガ係数を用いて調べたところ.69から.90のスコアとなりテストとして信頼性がおけることがわかった。さらに、各構文パターンの受容度の相関性に関しては、非能格動詞の受動構文の受容度との相関性が.64(p < .01)となり、有意な相関性が確認された。この結果により、受動態の過剰生成について母語知識の介入と非能格動詞の過剰受動態生成について関連があることが示唆された。今後は、非対格自動詞パターンとの関連性も調べることで別のメカニズムが過剰生成に関与している可能性も検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
英語学習者の母語干渉を調査するために、母語話者の持つ知識の影響なのか英語習熟度の違いによる影響なのかを調べる必要があり、本年度は母語の影響を調べる実験を実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は学習者の習熟度別のデータを分析し、母語干渉と習熟度との関係をさらに調査したい。被験者データの分析をさらにすすめ、データ分析の結果と整合性を持つ計算モデルの構築も進める予定である。
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