研究課題/領域番号 |
22K00763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
西原 貴之 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (50469590)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 英語詩読解プロセス / 文学を使った英語教育研究 / NIRS / 英語俳句 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は以下の3項目を検討する。 (1)前頭葉の賦活状況から見て、学習者の読解プロセスは、詩のタイプによってどのように異なるのか。 (2)上記 (1) の観点において、逸脱的表現や反復などのいわゆる「文学的言語表現」はどのように処理されるのか。また、それらの種類によってその処理はどう異なるのか。 (3)上記の (1) と (2) は、学習者の文学経験や英語力といった個人的要因によって異なるのか。異なるとすればどのような違いが見られるのか。
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研究実績の概要 |
英語詩を中心として英語文学読解時の脳の賦活を実証的に調査した先行研究を収集・整理し、調査で必要となる事柄について確定を行った。まず、脳機能計測装置で測定する部位の確定を行った。具体的には、側頭葉前方、下前頭回、背外側前頭前野近辺を主なターゲットとすることとした。これらの部位は母語での詩の読解で強く賦活することが報告されている。さらに、事後インタビューで調査参加者に尋ねる事柄についても選定を行った。具体的には、調査中に読んだ作品に関して、難しさ、理解できた度合い、面白さ、芸術性、好き嫌い、を尋ねることとした。英語詩読解時の賦活とこられの指標との関連性について分析を行う。 また調査材料として用いるテクストのジャンルを英語俳句に限定することとした。本研究では英語俳句の下位分類間で読解時に脳の賦活で何らかの違いが見られるかどうかを調査したい。現在のところ、「文脈」と「その文脈内で行った動作」が並置されたタイプの作品(context-action haiku)と、日常生活ではあまり並置されないものが並べられたタイプの作品(haiku of juxtaposition)の比較を考えている。 また、事務的な作業として、調査機器の業者と具体的な調査日時の打ち合わせを行った。さらに、学内倫理審査委員会に本研究の実施を申請し、了承の判定を受けた。加えて、同意書など調査で必要となる書類の作成も行った。 加えて、調査方法の素案を策定した。本研究は当初は脳機能計測装置を中心としながら、補助的に視線計測装置も併用してデータを取ることを予定していた。しかしながら、予算の関係で折り合いをつけることができなかったため、今回は脳機能計測装置のみを使用した調査にすることとした。また、前回の科研プロジェクト(19K00790)の調査で生じた問題なども振り返り、その対応策の検討も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は令和5年度に調査の実施を計画している。令和4年度は、その調査に向けて、ターゲットとする脳の部位(側頭葉前方、下前頭回、背外側前頭前野近辺)、調査材料として使用する英語詩のジャンル(context-action haikuとhaiku of juxtapositionというタイプの英語俳句)、事後アンケートで調査参加者に尋ねる項目(調査中に読んだ作品に関して、難しさ、理解できた度合い、面白さ、芸術性、好き嫌い、を尋ねる)、を先行研究をもとに確定させた。また、具体的な調査日時や調査機器の手配について業者と決定を行ったことに加えて、学内での倫理審査を受けて了承された。さらに、同意書などの事務的な書類も作成した。視線計測装置の使用を取りやめることとしたが、このことによる研究の遅れは生じていない。まだ調査の実施までに終えるべき作業(具体的な調査材料の選定や調査時に学生に提示するスライドの作成など)が残っているものの、全体として調査実施に向けた準備は滞りなく進めることができていると考えられるため、「(2)おおむね順調に進展している」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
当初、本研究課題は脳機能計測装置と視線計測装置の2つの装置をレンタルすることでの調査実施を予定していた。脳機能計測装置によるデータを解釈する上で、視線計測装置によるデータを補助的に使用することを目的としていた。しかし、レンタル料の高騰により、脳機能計測装置のみを使用した調査に切り替えることとした。ただし、研究目的や調査手順には変更は生じないため、初年度に行った様々な決定(調査部位や調査材料のジャンルなど)に従って調査手順を具体化していく作業を進める。 そして、8月頃に調査を実施し、データの分析作業に入る。そして、論文等による研究成果発表の準備を行う。 また、これらの作業と並行して、得られたデータの解釈や教育的示唆の検討の精緻化を目指して、引き続き関連文献の収集及びその内容整理を行う。
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