研究課題/領域番号 |
22K00780
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
|
研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
中垣 州代 畿央大学, 教育学部, 講師 (50881059)
|
研究分担者 |
文 鐘聲 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (50460960)
小山内 秀和 畿央大学, 教育学部, 准教授 (00750762)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 小学校外国語 / 自己効力感 / ICT / CAN-DOリスト / ルーブリック / 学習意欲 / 目標達成 / 自己効力感尺度 / 主体的な学び / 自己調整学習 / 量的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
小学校外国語における「子どもの主体的な学び」は、目標設定、動機づけ、学習方略、メタ認知における、それぞれの自己効力感の向上によって構築すると本研究代表者は考え、それを相関図とし、実践を通してその有効性を確認した。しかし、一校のみでの有効性の確認に過ぎないため、本研究では、複数校において、5つのRQからその相関図の有効性について多変量解析を用いて検証し、明らかにする。そうすることにより、文部科学省の定義に沿った「主体的な学び」の実現が可能となる。
|
研究実績の概要 |
本研究では、本研究代表者が作成した「子どもの主体的な学び」の相関図の有効性を5つのRQから検証し明らかにすることを目的としている。 2022年度は、研究実施計画通り、RQ1とRQ2において、協力校2校で検証することができた。 RQ1. ICT活用の目標設定(ゴール活動)によって、外国語を「今、ここ」で学ぶ必要感を味わいながら自己効力感を高めること ができるのか RQ2.自分の成長に目を向けたCAN-DOリストとルーブリックで自己効力感を高めることができるのか まず、本研究で重要となる自己効力感尺度について、先行研究として信頼性と妥当性が認められている尺度をもとに小学生が理解できる表現に改良した。分担者と共に検討した自己効力感尺度を、RQ1,2で用いて検証した結果、尺度の8項目は1因子として認められたことから、信頼性と妥当性がある小学校外国語における自己効力感尺度が完成したと言える。RQ1においては、同じ市内の公立小学校2校でICTを用いた交流を5年生74名と68名で2回実施し、自己効力感尺度を用いたアンケートを事前と事後に行い、SPSSを用いて分析した。自己効力感の相関関係に有意さを得ることはできなかったものの、ICTを用いた英語でのゴール活動への学習意欲は向上していることが明らかとなった。RQ2において、CAN-DOリストとルーブリックの課題点から、実際の授業に活用しやすい「CAN-DOリスト&ルーブリック」を試案し、協力校である公立小学校2校において、6年生計157名の授業で検証を行った。自己効力感の向上というところまでは達しなかったものの、児童が「CAN-DOリスト&ルーブリック」を目標達成に有効であると捉えていることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画通りに進んでいる。 自己効力感尺度を作成し、RQ1におけるICTを活用した英語での交流を協力校2校で実施し、自己効力感尺度の事前と事後の結果を分析した。 RQ2におけるCAN-DOリストにおいては、まず、小学校外国語の教科書7社のCAN-DOリストを分析した。ルーブリックにおいては先行研究の内容をまとめ、課題点を明らかとした。その上で、小学校現場で活用しやすい「CAN-DOリスト&ルーブリック」を作成した。それを協力校で実践に生かしてもらい、自己効力感尺度の事前と事後の結果を分析した。 SPSSで分析した結果、RQ1、RQ2どちらも有意さは認められず、ネガティブデータとなった。その理由として、RQ1では、児童のもともとの自己効力感が高かったこと、協力校の要望で実施期間が短くなったことが挙げられる。実施期間が短くなった要因として、時間割変更の難しさが大きく関係していたため、個人の研究としての継続は厳しい状況にある。RQ2の理由としては、「CAN-DOリスト&ルーブリック」を用いた指導方法の一部分が、協力者にうまく伝わっていなかったことが原因として考えられる。 これらのことから、RQ1においては組織的な取組みでないと実施が難しいため、保留とせざるを得ない状況にある。RQ2については、指導方法に誤解が生じないようにしながら、より多くの児童を対象として検証していきたいと考えている。現在、市内の小学校外国語科部会への参加許可をいただいており、RQ2は2学期以降で実施が可能となる可能性が高い。
|
今後の研究の推進方策 |
研究実施計画から、2023年度にはRQ3と4を実施する予定であった。しかし、2022年度に行ったRQ1と2の結果、自己効力感を高めるまでに至らなかったことから、その課題点からの見直しを行なう必要がある。さらに、RQ3と4を実施する上での準備となる試案が完成していないことから、2023年度の研究について以下のように変更したいと考えている。 RQ1においては、個人の研究としての限界を感じるため、保留とする。 RQ2においては、「CAN-DOリスト&ルーブリック」をいかに授業内で効果的に活用するかという指導方法に関係するため、指導方法を明確にし、現場で活用してもらい、児童の自己効力感の有意さを検証していく。 RQ3においては、本研究代表者が実践した頃とは教材が異なるため、更なる教材分析を重ねた上で試案を作成し、2024年度に検証できるようにする。 RQ4においても、本研究代表者が実践した頃とは異なり、さまざまなICT活用が可能となっているため、大学におけるフィードバックでさまざまな実践を行いながら、小学校の現場で有効なフィードバックの内容と方法を考え、試案を作成し、2024年度に検証できるようにする。
|