研究課題/領域番号 |
22K00784
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 明石工業高等専門学校 |
研究代表者 |
井上 英俊 明石工業高等専門学校, 教養学群, 准教授 (00332023)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | リスニング / 語彙 / 写真描写問題 / 問題項目難易度 / 高等専門学校生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,リスニング・写真描写問題に関する問題項目特性を解明し,知見を教材開発に応用することである。本研究期間内では,高等専門学校生に対する実証研究の実施に焦点を絞る。 本研究の学術的問いは「写真描写問題の難易度に関わる語彙的指標とは何か」を探求することである。具体的に,1)語彙的要素を分析指標として写真描写問題を類型化し,2)大規模実験データからの語彙指標などを用いて問題項目の難易度推定に取り組む所存である。さらに得られた知見をもとに,3)高等専門学校生が属する下位中位学習者の聴解特性の解明に迫る計画である。
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研究実績の概要 |
研究2年目である令和5年度は、以下の2項目に対する調査研究を実施した。1)調査対象者である高等専門学校在籍学生は、日々の英語学習における目標語彙の学習と教材に用いられるリスニング・写真描写問題を初見で解答した得点状況はいかなるものであるのか、2)リスニングを学習することに対してどのように感じているのか、である。 1)まず、各レッスンにおいて目標とされる語彙の学習を課し習得状況を試験した。この定期的に行う単語テストについては、多くの学生がきちんと9割近く学習してくることを確認した。次に、授業において定期的に(リスニング・写真描写問題を2問含む)30問を、学生に初見で課して解答を分析した。それぞれのテストにおける上位学生27%の正答率と下位学生27%の正答率の差を、項目弁別指数として算出した。Brown(1996:80)にしたがい、項目弁別指数に関して0.4以上の問題項目を良い問題項目と設定した。分析結果として、リスニング・写真描写問題20問題項目のうち7問題項目が弁別能力が高い問題項目であると特定された。 2)学生に対して、リスニング学習に関する意識について、質問紙によるアンケート調査を実施した。BACEテストのリスニングスコアに基づいて学生を上位学習者と下位学習者に分けて、回答結果を検討した。上位学習者、下位学習者ともにリスニング学習を大切だと思うと回答した。しかし、リスニング学習を好きであるかを問う質問には、上位学習者は27%が好きであると回答したのに対して、下位学習者は5%のみが好きであると回答したことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一身上の理由により、研究に従事できない期間があったため、進捗がやや遅れている。 各種調査の実施を計画したが、都合上あまり多くの調査対象者にお願いすることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、1年目に実施した以下の研究を他の調査対象者に対して実施する計画である。1)複数の学年にまたがる高等専門学校在籍学生に対するリスニング・写真描写問題の実施、2)複数の学年にまたがる高等専門学校在籍学生に対する語彙サイズ測定テストの実施、そして3)各調査結果の集計・分析、である。 まず、調査協力者が受験したTOEICテストリスニングスコア、リーディングスコア、そしてトータルスコアに基づいて英語能力群を作成する。次に、研究結果の再現性を確保するため、TOEICテスト公式問題集を用いてリスニング・写真描写問題を実施し、各調査参加者の取得した得点と属する英語能力群とに基づいて結果を検討する。最後に、調査協力者の語彙力を語彙サイズ測定テストに基づく得点を指標として用いて測定する。日本における EFL 語彙サイズテストとして広く普及している望月(1998)の「日本人英語学習者のための語彙サイズテスト」からの推定値を指標として採用し、写真描写問題の解答結果と照らし合わせて知見を導き出す計画である。
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