研究課題/領域番号 |
22K00785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
菅原 健太 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20635833)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ビジョン / 記憶 / 自己イメージ / 可能自己 / モチベーション / 学習努力 / 自己調整 / 日本人英語学習者 / 理想自己 / エンゲージメント / パーソナリティ / 第二言語習得 / 自己 / 動機づけ / 浮力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第二言語(L2)の習得に関わるモチベーション研究の動向・発展に沿って、L2モチベーションの持続構造の理解を目指して実施するものである。この研究の中で、研究対象者は、日本で英語を学ぶ日本人青年期層である。本研究では、対象者層のコンテクストに特有な英語が日常生活に根付かない環境で、英語学習に関わるモチベーションの維持を促すパーソナリティ・パーソナルビジョン・エンゲージメント・自己制御力・そして、モチベーションの減退からの回復力・浮力に着目するものである。
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研究実績の概要 |
当該年度に実施した研究の成果は、その目的のうち、日本人英語学習者のビジョン(メンタル・イメージ)の内的構造と、英語学習努力度の関係性について明らかにすることに集中的に取り組み、その内容を論文にまとめたことである。 その過程で、研究代表者は、メンタル・イメージに着目する認知心理学における記憶(memory)の知見についての文献レビューを行った。この知見をもとに、将来の自己イメージが鮮明になり、可能自己(possible selves)になる仕組みについて説明した。そのうえで、第二言語習得におけるモチベーション研究において、英語使用者としての可能自己の鮮明化・手続き化に必要な諸条件の内的構造と英語学習努力度の関係性が不明瞭である点を指摘した。 この研究ギャップから、研究代表者は、前者の諸条件を測る質問項目から得た量的データを用いて、探索的及び確認的因子分析を実施した。その結果、対象者層において特有の因子構造が浮上し、データとの当てはまりがよい測定モデルが得られた。続けて、その測定モデルと努力度に関する測定モデルを用いて、両者の関係性を示した仮説モデルとその競合モデルを立てて、構造方程式モデリングを行った。その結果、両モデルともにデータとの当てはまりがよいものであったが、競合モデルの方が測定モデル間により幅広い影響力を確認することができた。これらの結果を解釈する中で、対象者層の英語学習を動機づける諸条件が明瞭になった。 上記の研究に加えて、英語学習における意図的な学習努力について理解を深めるために、研究代表者は、自己調整学習についての文献レビューを行った。そのうえで、その学習能力と課題遂行プロセスの意識化に注目した論文をまとめ直した。その結果、特定の課題に集中でき、学習活動にエンゲージメントできる力を養成する働きかけについて、その一部を明確にすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データの分析及び結果と考察を論文にまとめる活動が、当初の計画で予測したよりも時間を要した。しかし、上記の区分で判断できた理由として、研究代表者が当該年度の研究実績の概要をまとめる前に、本研究課題における主要な成果を記述した論文を学術ジャーナルに投稿できたことにある。このことに加え、本研究課題において扱う領域を含む論文をまとめ直し、大学紀要に投稿できたことにもある。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度の進捗状況に関して、おおむね順調に進展していると評価ができるに至ったので、今後の推進方策についても、研究代表者は、本研究課題を当初の研究計画通りに遂行する。具体的には、当該年度までには扱うことができなかったデータの分析を進めて、結果と考察をまとめて記述し、研究成果を再び学術ジャーナルに投稿できるように取り組む。
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