研究課題/領域番号 |
22K00797
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
木山 三佳 明海大学, 外国語学部, 教授 (60438801)
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研究分担者 |
田川 麻央 明海大学, 外国語学部, 講師 (50735363)
範 弘宇 明海大学, 多言語コミュニケーションセンター, 講師 (10906704)
高柳 奈月 明海大学, 多言語コミュニケーションセンター, 講師 (60836097)
山岸 宏明 明海大学, 多言語コミュニケーションセンター, 助教 (20791718)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 高校に在籍する日本語指導が必要な生徒 / 日本語支援 / 教科学習 / 読解 / 作文 / 教員による評価 / 進路意識 / 日本語指導が必要な生徒 / 日本語能力 |
研究開始時の研究の概要 |
高校に在籍する日本語指導が必要な生徒(JSL高校生)は10年間で2.7倍という高い増加のペースを見せているが、2018年度の文部科学省の調査では進学率は4割、年間1割弱が中退をしていることが明らかになった。現状を改善するために日本語指導体制の整備が進められているが、日本語指導が教科学習や授業参加に役立っているかについての実証的な研究は少ない。そこで本研究では日本語指導が教科の授業理解や授業参加にどう役立つのか、日本語能力以外の様々な要因も含めて、JSL高校生の進路を予想する指標を明らかにする。
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研究実績の概要 |
研究協力者を対象として行った研究実績は以下の4点である。 (1)日本語指導が必要とされる高校生(以下、JSL高校生とする)の文法的能力については、14名の研究協力者を対象として日本語能力試験の問題形式を使った日本語習熟度別の横断的に分析を行った結果、表記や語の意味よりも文法や語の機能についての課題が習熟度が高くなっても残る可能性が示唆された。 (2)JSL高校生の読解については、研究協力校で実施した明示的に読解ストラテジーを指導する日本語学習支援の実践について生徒の内省をテキストマイニングを用いて分析した結果、読解ストラテジーを読む過程の中で位置付け自己診断を行うなど問題意識が高まっていることが示唆された。 (3)JSL高校生の話す能力については、高校教員が求める学習言語とJSL高校生の習得可能な学習言語のギャップを分析し、そのギャップをどのように埋めるべきかを検討することを目的として、高校授業に参加する際の参加状況と、高校教員がJSL高校生に期待する能力について調査協力に応諾いただいた高校教員2名に対して、担当教員が用いる授業の評価基準と、JSL高校生の授業参加状況等に焦点をあててインタビュー調査を行った。 (4)JSL高校生の作文については、学年相応のレベルの国語の読解問題における記述文を対象に調査を行った。その結果、内容理解ができていても文体による接続表現の間違いで正確な産出が見られない、根拠を統合して説明するための複文を作る力に問題があるなどの課題が見られた。また、文章の内容理解問題に正解できない理由として、文章中の特定のキーワードのみに注目し、その前後の文の内容をつなぎ合わせて内容を判断するというストラテジーの使用が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
テストやアンケートなどの一回の調査で得られる資料については収集が比較的に容易であるため、研究実績を残すことができた。しかし、調査対象者それぞれの背景が結果に影響を与えるため、丁寧に分析する必要がある。研究者、研究協力者がインタビューや観察を行える期間が夏休み等しかなく、質的なデータの収集には時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
JSL高校生の学習言語能力について、文法、読解、話す(発表)、作文の各領域において以下のような方向性で研究を推進する。 (1)JSL高校生の文法能力については、横断的な分析で見られた日本語レベルによる違いが縦断的なデータでも見られるかの調査を行う予定である。 (2)JSL高校生の読解については、日本語指導と授業の関係を生徒にインタビューを行うなど質的な研究を行う予定である。 (3)JSL高校生の話す力については、質問紙調査を実施する。23年度に収集したデータとあわせて分析・検討を行う予定である。 (4)JSL高校生の作文については、23年度の調査で見られた課題解決のためのストラテジーが、日本語能力のレベルにより異なるか、他教科の記述でも同様の結果が得られるかなどを調査する予定である。
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