研究課題/領域番号 |
22K00804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
長尾 明子 龍谷大学, 国際学部, 准教授 (60570124)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 訂正フィードバック / L2ライティング / ジャンルベースドアプローチ / 選択体形機能言語学理論 / Genre-Based Approach / SFL(選択体系機能言語学) / L2 Writing / Feedback |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,(1)日本人大学生の英語アカデミックライティング能力を伸ばす指導法の構築と、(2)効果的な英文ライティングフィードバック指導及び評価法を検証する。筆者は,シドニースクールのジャンルベースドアプローチの英語ライティング授業介入を日本の大学生を対象に一定期間行う。ライティング指導法の一環である訂正フィードバックの効果を検証する。ライティング能力の指標となるメタ認知測定評価基準を開発し英語学習者が書いた事前・中間・事後・遅延エッセーを解析する。英語学習者の英語リテラシー能力向上を可能とするライティング指導の拡充を念頭に置き,大学および高等学校でのライティング指導のあり方について提言を試みる
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研究実績の概要 |
本研究は,ライティング指導法の一環である「訂正フィードバック」を通して,日本人大学生の英語アカデミックライティング能力がどのように変化するかを検証する。 <課題 1>日本人大学生の英語アカテデミックライティンクグ技能を伸ばすのに効果的なライティング指導法とされる,GBA準拠ライティング教授法を導入し,日本の大学・高等学校での英語学習文脈に汎用化できるライティング指導法を構築する。 <課題 1>のデータ分析結果から,英語能力低群と高群ともにエッセーの構成および選択体系機能言語学のテキスト形成的意味の伸びが見られた。さらに,L2ライティングタスクの中のモデル分解分析とフィードバックありの書き直し作業をするタスクが,最も効果的であるという傾向が見られた。 <課題 2>「GBA準拠ライティンクグ教授法」を一定期間通して学習した実験群と統制群を比較し,外国語学習者が言語自体の習熟度をどのように高めるかを検証する。ライティング習熟度の伸びを検証するために,ライティンクグ能力の指標となるメタ認知を測定することに特化した評価基準を開発する。 現在,実験群と統制群のデータ(事前・事後エッセー,事前・事後アンケート,インタビュー)の解析を行っている。事前・事後エッセーはUAMコーパスツールとカラーコーディングにより解析を実施している。 <課題 3>ライティングフィードバック効果に関連する検証は,要因:1事前事後テストの有無,2教員からフィードバックの種類別,3ライティングタスク内容別,4学習者のフィートバックに対する意識の項目について,(a) 外国語学習者と第二言語外国語学習者の比較検 証と(b) 英語能力の高低グループを対象に比較検証する。 <課題 3>に関して,現在該当授業実施とフィードバックに関するアンケートデータを収集している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,以下の研究課題を中心に研究を進めている。<課題 3>ライティングフィードバック効果に関連する検証は,要因:1事前事後テストの有 無,2教員からフィードバックの種類別,3ライティングタスク内容別,4学習者のフィートバックに対する意識の項目について,(a) 外国語学習者と第二言語外国語学習者の比較検 証と(b) 英語能力の高低グループを対象に比較検証する。 L2ライティングフィードバックの種類を理解するために,過去の関連研究論文(約30本)のフィードバック内容の精査,データ収集方法と解析方法をまとめた。さらに,学習者のフィートバックに対する意識の変化を理解するために,L2ライティングフィードバックごとにアンケートを実施した。現在,そのデータの解析を実施している。 <課題 2>「GBA準拠ライティンクグ教授法」を一定期間通して学習した実験群と統制群を比較し,外国語学習者が言語自体の習熟度をどのように高めるかを検証する。<課題 2>に関して,EFL学習者が書いた事前・事後エッセーをUAMコーパスツールとカラーコーディングにより解析を実施している。その結果,経験構成的意味に関して,通常の英語ライティングクラスを経験した英語学習者の方が,reporting verbs の使用が極端に少なかった。さらに,アカデミックライティングの構成の理解も極端に限定的であることがわかった。さらに,半構造化インタビューデータをテーマ分析で解析をしている。その結果,通常の英語ライティングクラス経験者は自身が書いた事前・事後エッセーの比較分析する能力が限定的である傾向が見られた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も<課題 3>ライティングフィードバック効果に関連する検証を焦点とし研究を進める。 教員からフィードバックの種類別において英語学習者のフィートバックに対する意識がどのように変化するかを明らかにするために,毎フィードバック後にアンケートを実施している。明示的と暗示的訂正フィードバックを使い分け,どちらの訂正フィードバックが英語ライティング書き直し作業の際に効果的であるかを判断している段階である。さらに,過去に英語ライティングフードバックおよび書き直し作業を経験したことのある日本人大学生の英語学習者は限定的あることがわかった。そのため,これらの学習者が英語エッセー書き直し作業を経験する際にどのような困難に直面しているのかを理解するためにアンケートを実施した。このデータの解析を今後は行う予定である。 さらに,英語能力低群と高群でフィートバックや英語ライティング修正タスクに対する意識が異なるかを検証する。現在までに,事前エッセーとそのフィードバックと英語エッセー書き直し作業が終了している。さらに,同様な授業手続きを行い,中間データを収集する予定である。 さらに,セメスター終了後に英語学習者を対象にインタビューデータを実施する予定である。しかし,学習者は, フィードバック内容をエッセーに反映した理由, 直接・非焦点型フィードバックに関する学習効果を振り返ることが重要であるので,フィードバック終了直ぐにプロトコール分析を導入したインタビューを実施する内容に変更をする予定である。
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