研究課題/領域番号 |
22K00843
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
谷合 佳代子 大阪公立大学, 人権問題研究センター, 特別研究員 (40915675)
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研究分担者 |
黒川 伊織 神戸大学, 国際文化学研究科, 協力研究員 (50611638)
鈴木 貴宇 東邦大学, 理学部, 准教授 (70454121)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 労働組合 / 労働運動史 / 文化サークル / 労働者生活 / 労働者文化 / 林業 / 文化運動 / 林業労働運動 / 戦後史 / アーカイブズ学 / 資料論 |
研究開始時の研究の概要 |
国有林の労働者で組織された全林野労働組合(1953~2006年)が残した文化サークルの資料を受贈していた「全林野文化資料室」(個人蔵)の資料が2020年に大阪産業労働資料館に移管された。本研究はその資料整理と分析を進めることによってサークル運動史の空白を埋める。労組員の文芸作品からは、林業労働者音の生活実態と意識変革の過程が明らかにできる。高度経済成長の陰としてあった山間部の実態が解明され、ひいては「都市と農村」という戦後日本の空間的な格差も示されるであろう。 図書館情報学、歴史学、文学の研究者による学際的研究によって資料の整理と分析を行い、最終年度には研究発表の場をもち、資料展示も行う。
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研究実績の概要 |
本研究の1年目に、全林野労組の資料のうち、写真と音源のデジタル化は終了し、メタデータ作成(目録作成)もほぼ終了している。よって、2年目である本年度では、文書資料の整理を中心に行った。年度末現在、以下の作業が終了している。 ①文書箱入り資料(21箱)のファイル単位のリスト化(238冊)とおおまかな内容確認、②参考になりそうな資料のスキャン、他機関と重複する冊子類のチェック、③文化賞選考者情報の抜き出しとリスト化、④林写協関連の活動年譜整備、⑤『ぜんりんや』の前誌『林野文化』の記事目録化(Excel) また、前年度に続いて谷合研究代表者は東京の林野会館に保存されている全林野労組の資料群の調査を行った。前年度に複写した全林野労働組合の大会資料について、内容の確認を進めた。鈴木貴宇研究分担者は茶園梨加氏を講師に招いて「1950年代北部九州における上野英信とサークル誌の変遷」という講演を含むシンポジウムを西南大学で開催した。 年度末に科研メンバーによる研究会を対面(東京のメンバー鈴木貴宇はオンライン参加)で1回開催した。そこでは最終年度の計画について協議し、東京と大阪で資料展示会とフォーラムを開催することを決めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資料の目録整理が概ね終わっている。Excelによる入力はほぼ終了している。 全林野本部の大会資料については複写収集がほぼ終了したが、内容の精査と目録作成が未遂なので、第3年度(最終年度)に行う。 全林野文化運動の特徴については黒川分担研究者が他の文化サークルとの違いについて調査を進めている。 文芸関係の資料については鈴木分担研究者が調査を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の大きな目標は、作成した資料目録の公開と、資料展示並びに研究報告のためのフォーラム開催である。具体的には、 ①Excelで作成したメタデータ(目録)を、一般公開するためにウェブデータベース・システムの”AtoM”に搭載する作業を行う。これは欧米諸外国ではアーカイブズ機関が使用しているシステムであるが、日本では他に使用類例がほとんどない新しい試みである。 ②音楽サークルの活動や文化庁「民謡緊急調査」に対する全林野労組の協力実態については、国立歴史民俗博物館と国立民族学博物館の共同調査が始まるという情報を入手したので、両館との情報共有を進めていく。 ③引き続き全林野労組本体の資料調査と解読を進めて、文化運動が組合活動に果たした役割と意義を分析する。 ④2024年度末に早稲田大学と大阪公立大学で資料展示会を開く。
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