研究課題/領域番号 |
22K00845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
ボルジギン 呼斯勒 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (40600193)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 林彪 / モンゴル / 中国 / ロシア / 冷戦 / 北東アジア / 林彪事件 / 実証研究 / ソ連 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、モンゴル、ロシア、中国、台湾での文献調査とオーラルヒストリー調査から得られる成果を基礎に、毛沢東の後継者と目された林彪を主人公とする「林彪事件」に焦点をあて、毛沢東を暗殺するクーデターの証拠となる「五七一工程紀要」はどのようにつくられ、それは林彪とどのような関係があったか、林彪はなぜ出国しなければならなかったか、彼の乗った飛行機がモンゴルに墜落した本当の原因、墜落事件の終息をめぐる中モ交渉、モソ交渉について、実証的研究をおこない、その全体像を明らかにする。その上で、冷戦の時代転換における林彪事件の位置づけを試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、モンゴル、中国、ロシア、台湾での文献調査とオーラルヒストリー調査から得られる成果を基礎に、毛沢東の後継者と目された林彪を主人公とする「林彪事件」に焦点をあて、林彪はなぜ出国しなければならなかったか、彼の乗った飛行機がモンゴルに墜落した本当の原因、墜落事件の終息をめぐる中モ交渉、モソ交渉などについて、実証的研究をおこない、その全体像を明らかにしようとするものである。 この目的に沿って、研究2年目となる2023年度は、研究基盤の強化につとめた。日本における文献調査は、国会図書館などを中心に、林彪事件とかかわる諸資料を収集し、整理した。 海外調査では、モンゴル外務省中央文書館やモンゴル政党・公共団体関連資料館、モンゴル国防中央文書館を中心に、林彪事件および冷戦時代のモンゴル・中国・ロシア関係の資料などについて調査をおこない、「モンゴル人民共和国外務省代表のソ連訪問に関する資料」、「毛沢東に反対する団体と組織の宣伝活動」、「外務省第2局会談記録No.6号副大臣D.ヨンドンと許文益大使との会談について」などの第一次資料を収集した。また、林彪事件における1971年の政治、社会状況を知る中国とモンゴル国の当事者の証言などを収集できた。 林彪事件をめぐるモンゴルと中国、旧ソ連など社会主義諸国、資本主義諸国との交渉、林彪が乗った専用機の遺留物、林彪等9人の遺体の行方などについて研究をすすめ、国際モンゴル学会で研究成果を報告したほか、学術雑誌に論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」で記しているように、2023年度には、現地の研究協力者の協力を得て、モンゴルと中国での調査を順調にすすめ、林彪事件をめぐるモンゴル政府の対外交渉、1971年前後の中国共産党内部の闘争とかかわる貴重な資料などを蒐集することができた。これらを礎として、林彪の乗った256号機が墜落したときの状況、同事件をめぐるモンゴルの対外交渉、中国の党内闘争などについて検討することができ、論文2本を執筆し、発表した。また、国際モンゴル学会で報告し、諸国の研究者と意見を交換することができた。これらの成果から同研究を進展させたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はひきつづき、本研究の目的と基本コンセプトにもとづき、関係諸国、地域での現地調査をさらに徹底し、第一次資料のほかに、林彪事件を知る当事者などの証言を発掘、収集し、本研究テーマに関わる研究基盤の強化につとめる。 また、林彪事件をめぐる中国、モンゴル、ロシアの思惑について分析をおこない、冷戦の時代転換における林彪事件の役割を読み直し、研究を深める。 さらに、中間成果として、上記の研究内容を中心に論文を執筆し、学術雑誌に投稿する。同時に、海外の研究者との交流を増やし、研究成果を世界に発信する。
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