研究課題/領域番号 |
22K00851
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
及川 琢英 北海道大学, 文学研究院, 共同研究員 (30553036)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 満洲国軍 / 陸軍軍官学校 / 奉天派 / 立花小一郎 / 日系軍官 / 関東軍 / 江防艦隊 / 江上軍 / アムール小艦隊 / 満洲国 / 軍隊 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、満洲国軍に参加する満系軍官(中国人将校)やモンゴル系軍官の日本留学など満洲国成立以前の状況、また日ソ戦争(1945年8月)から満洲国崩壊後、日系・満系・モンゴル系軍官や満洲国陸軍軍官学校の日系・満系生徒が置かれた状況について実証的に明らかにするものである。その結果、近年研究が進んでいる満洲国軍研究をさらに深め、満洲国軍を中国東北史の文脈に位置づけるとともに、東アジアにわたる広い視点から満洲国軍の有り様を解明することをめざしている。
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研究実績の概要 |
交付申請書中の研究実施計画に基いて本年度の研究を遂行した。 第一に、満洲国崩壊後の日系軍官、満洲国陸軍軍官学校(軍校)日系生徒についての考察を進めた。具体的には、満洲国軍全体の会である蘭星会の『蘭星』、軍校全体の会である同徳台同窓会の『同徳』、軍校生を含む日本陸軍士官学校同期生の会報、日本陸軍将校全体の会である偕行社の『偕行』など、軍校日系生徒に関係した大小様々な同窓会会報を収集し、同窓会組織の状況、韓国や中国、台湾の海外同窓生との交流、アジア・太平洋戦争や満洲国認識の推移について検討した。以上をもとに論文としてまとめ、「満洲国軍関係同窓会会報にみる満洲記憶-陸軍軍官学校生を中心に」(『東洋文化研究』26号、2024年3月)として刊行した。 第二に、満洲国期以前、日本と奉天派との関わりのほか、ロシア、シベリア関係に関しても重要な史料となる、立花小一郎日記の翻刻および分析を進めた。翻刻に関しては、近現代東北アジア地域史研究会『ニューズレター』に連載中であり、本年度は第35号(2023年12月)に、兎内勇津流・及川琢英「立花小一郎回顧余録(六)大正10年4月~6月」として刊行された。 第三に、奉天派や満洲国軍とも関係が深い関東軍に関して、立花小一郎日記の分析などをもとに、関東軍を取り巻く制度的環境、所属した軍人の個人的特性、現地勢力という三つの観点から論じた、『関東軍――満洲支配への独走と崩壊』(中央公論新社、2023年)を上梓した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画通り、満洲国崩壊後の日系軍官や陸軍軍官学校日系生徒の動向に関して考察する研究を進めることができた。さらなる史料収集、分析が必要であるが、張作霖、奉天派に関する分析もまとまりつつある。また満洲国軍を統制する立場にあった関東軍に関する研究も進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究においては、引き続き、満洲国崩壊後の満系軍官や陸軍軍官学校満系生徒の動向、満洲国や満洲国軍に関係していく吉林系・黒龍江系・モンゴル系の人材、人脈に関する研究を進めていく。
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