研究課題/領域番号 |
22K00862
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
木村 真美子 学習院大学, 付置研究所, 研究員 (10815062)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 西園寺家 / 洞院家 / 徳大寺家 / 公名公記 / 清華家 / 中世貴族社会 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中世貴族社会における清華家の存在意義について、清華家が残した史料の特性をその活動との関わりのなかで解明することを目的とする。残存の状況や重要性にかんがみ、西園寺家およびその分家の洞院家が残した史料の探索および整理・検討を中心的な課題に据える。具体的には、宮内庁書陵部所蔵『管見記』105軸を中核に、各地に分蔵されている西園寺家および洞院家の旧蔵史料について、残存状況にかかわる情報を整理して提示することを第一の課題とする。そのうえでこの両家が残した中世史料の特性を考察し、摂関家や名家とは異なる清華家の特質に迫りたい。あわせて未刊の重要史料の翻刻刊行という基礎研究をすすめたい。
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研究実績の概要 |
交付申請書に記載した「研究目的」「研究実施計画」に照らし、以下の進捗をみた。 ①史資料の収集:関東地方所在以外の史料を中心に調査・収集を実施した。具体的には、京都御所東山御文庫・陽明文庫・京都国立博物館・細見美術館・龍谷ミュージアム・東寺宝物館(以上、京都市)、奈良国立博物館・大和文華館(以上、奈良市)、石水博物館(津市)、石川県立美術館(金沢市)、富山市郷土博物館(富山市)等に赴き、西園寺家・洞院家旧蔵史料をはじめとする天皇家・公家関係の史料調査を行った。あわせて、富山県砺波市の公卿塚(徳大寺実通殺害の地とされる)の現地調査を実施した。 ②研究協力者との研究会・共同調査:東京大学史料編纂所において研究協力者の山家浩樹氏・末柄豊氏・渡邉正男氏(以上、同所教授)と研究会を実施した。また、陽明文庫・石水博物館等における調査に同行してもらい、共同して原本調査を行った。その成果の一部として、陽明文庫所蔵の宸翰写本のうち「後光厳天皇宸筆書状写」についての解説を『陽明文庫講座』図録5に執筆した。研究協力者末柄氏も同書に「飛鳥井雅康仮名消息」の解説を執筆した。また、国立歴史民俗博物館において研究協力者の小倉慈司氏(同館教授)・末柄氏とともに、同館所蔵の清華家関係史料の調査を行った。 ③公名公記の刊行準備:昨年度までに作成した原稿について、注記の付加などの作業を行った。あわせて『管見記』中の関連史料について翻刻を行った。 ④研究成果の社会還元:筆の里工房(広島県熊野町)における「宮廷文化を彩る絵画」展にあわせて「近衛家が伝えた牛車絵巻」と題する講演を行った(5月3日)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
関東地方所在以外の史料について順調に調査をすすめることができた。また、研究協力者の協力も得ながら、清華家各家の史料の残存状況の確認をすすめることもできた。
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今後の研究の推進方策 |
①これまでに作成した『公名公記』の翻刻原稿を入稿し、複数回の校正を行って全2冊中の第1冊の刊行を果たす。 ②国立歴史民俗博物館・東京大学史料編纂所・宮内庁書陵部所蔵史料を中心に、洞院家や西園寺家にかぎらない清華家関係史料の調査・研究を行う。 ③研究協力者との打ち合わせ・研究会等を行い、清華家関係史料の所在情報を含めた研究成果をとりまとめ、報告書を刊行する。
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