研究課題/領域番号 |
22K00876
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木土 博成 京都大学, 文学研究科, 助教 (10737456)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 伊勢貞昌 / 有職故実 / 薩摩藩 / 御成 / 中近世史移行期 / 蓮生寺文書 |
研究開始時の研究の概要 |
中近世移行期(16c~17c)を生きた伊勢貞昌という武人・政治家・有職故実家の三つの属性を持つ人物を取り上げ、その生涯を詳述し、三面を統合した人物史を構築する。彼が持った武人として自負や、江戸で他大名や幕府要人と交際する中で培った政治経験、そして室町期の正統な武家故実の伝授者という誇り、これらが交差するところに貞昌を位置づけ、その交差点から中世→近世という時代の推移を見つめる、という手法をとる。
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研究実績の概要 |
伊勢貞昌(1570-1641)は薩摩藩(島津氏)の江戸詰家老にして、有職故実家でもあるなど、多様な顔を持つ。本研究では、中近世移行期を生きた伊勢貞昌のような特異な人物を通し、その内面にも踏み込むことで、個人から時代の転換を見つめるという手法をとる。 そのため、本年度はまず基礎的な作業として、伊勢貞昌が発給した書状について、東京大学史料編纂所においてマイクロフィルムやデジタル画像を閲覧し、また鹿児島県史料(『旧記雑録』)や他機関所蔵文書(宮崎県総合博物館)からリストアップし、コピーしてWordに打ち込むとともに、宛先や様式などの情報をExcelに整理した。コピーした文書の多くは無年号であるため、おおまかな年次比定を行い、慶長期のもの、元和~寛永前期のもの、寛永後期のもの、と3つに区分した。このように区分することで、伊勢貞昌の略歴をおおむね把握することに成功した。 また、伊勢貞昌が相伝を受けた有職故実書のうち、室町殿の御成にかかわる史料を精読し、論点を整理した。同時に、室町期の御成と江戸期の御成でなにが違うか、といった点について、関連書籍、論文を読み、理解を深めた。 さらに、先述の伊勢貞昌の書状の整理作業を行うなかで、1点1点を精読し、そこから情報を抽出した。その結果、伊勢貞昌の思想的基盤には「孟子」があり、薩南学派の影響が想定できた。 こうした点を論文にまとめ、すでに脱稿し、次年度のはじめに公開する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
伊勢貞昌の書状のうち、最大の点数を誇る鹿児島県史料(『旧記雑録』)をまず最初に取り上げ、雇用した大学院生に整理を補助してもらった。並べてみると、芋ずる式で見えてくることがらが多く、想定通り順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、鹿児島県史料(旧記雑録)の伊勢貞昌書状の年次比定を、さらに細かく行う必要がある。そのためにも、花押の編年や、伊勢貞昌の受給文書との整合性を意識する必要があり、次年度はひきつづき、基礎データの整理にあたりたい。
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