研究課題/領域番号 |
22K00881
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 東京未来大学 |
研究代表者 |
山崎 善弘 東京未来大学, モチベーション行動科学部, 准教授 (60582509)
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研究分担者 |
羽田 真也 飯田市歴史研究所, 研究部, 研究員 (40757837)
加藤 慶一郎 大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (60267862)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 姫路藩 / 木綿専売制 / 取締役 / 地域社会 / 藩札 / 江戸積 |
研究開始時の研究の概要 |
姫路藩木綿専売制の実現過程を、地域社会との関係、さらに幕府に禁止された木綿の江戸積の分析からも解明し、その歴史的意義に迫る。具体的には、次の3点を検討する。 ①地域経済の発展に果たした姫路藩の役割を踏まえながら、その後の木綿専売制の展開を、藩権力と取締役(地域で木綿の生産・流通を管理)との関係に注目して分析する。 ②木綿問屋を核に形成された地域経済圏に注視し、取締役と木綿問屋の連携によって、地域社会を拠点に木綿専売制が実現に導かれていく様子を分析・解明する。 ③姫路木綿の江戸積について、幕府との関係も含めて分析し、それが幕藩制的政治・経済構造の変容をもたらす一つの契機となったことを解明する。
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研究実績の概要 |
当該年度においても、昨年度に引き続き、地域経済の発展に果たした姫路藩の役割を踏まえながら、その後の木綿専売制の展開を、藩権力と取締役(地域で木綿の生産・流通を管理)との関係に注目して分析することを主たる課題とした。 具体的には、第一に、姫路藩木綿専売制の地域的展開を支えた取締役に関する詳細な史料を多く含む大歳家(兵庫県加古川市)の所蔵文書のうち、未整理史料の目録作成を行いながら、目録作成が完了している史料の解読・分析を進めた。当初の予定より未整理史料の目録作成が進み、大歳家文書中の取締役関係史料がほぼ出揃った。そのため、昨年度にも増して、取締役関係の史料の解読・分析に時間をかけることができ、姫路藩の木綿専売制がいかに実現していったのか、姫路藩の方針の下での、その地域的展開を詳細に知ることができた。 第二に、昨年度は、これまでに収集した姫路藩の木綿専売制関係の藩政史料(個人蔵)と大歳家文書を併せて分析し、領主権力と取締役との関係を詳細に明らかにすることに着手したが、当該年度に大歳家文書の未整理史料の目録作成を中心とした調査研究が進展したことにより、さらにこちらも進展し、木綿専売制の政策主体たる領主権力、そして、その政策の地域社会における実現主体たる取締役の役割を分析することで、木綿専売制の地域的展開のための仕組みをかなりの程度、解明することができた。 従来、経済史の立場からのみ分析されてきた姫路藩の木綿専売制を、領主権力を含めた地域的展開、そして国家権力・江戸市場との関係から見た全国的展開へも視野を広げ、従来の研究を批判的に継承・発展させようとするのが本研究であるが、研究開始から2年目としては十分な成果が得られ、続く2年間の研究の下地も形成されたと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当該年度における課題の第一点については、大歳家のご協力により、大歳家文書の調査研究を昨年度と同様に多く実施することができた。そのため、当初計画していたよりも調査研究が捗った。 課題の第二点については、大歳家文書の調査研究が捗ったこともあり、領主権力と取締役との関係がかなり明らかになってきた。そのことは木綿専売制の地域的展開のための仕組みが、計画以上に明らかになりつつあることを意味する。 当該年度においても、当初の計画以上に研究が進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書に記載した「研究の目的」、「研究実施計画」に照らしても、当初の計画以上に研究が進展している。 よって、今後の研究の推進方策としては、研究分担者はもちろん、大学院生らの協力も得て、交付申請書に従って研究を推進し、来年度も当初の計画以上に研究を進展させたい。 なお、本研究では、姫路藩の木綿専売制を、国家権力・江戸市場との関係から見た全国的展開へも視野を広げ、従来の研究を批判的に継承・発展させることを意図しているが、江戸積の実際を詳細に解明するには、江戸商人と姫路藩の江戸積問屋(江戸在番)との取引や、国元への木綿代金の送付に藩札が大々的に使用されたことも無視できない。この点については史料的制約から従来十分解明されてはいない。関東で関連史料が見つかることが理想的だが、見つからない場合でも、これまで関西で調査研究に取り組んできた史料群内に関連史料を少なからず見出すことができ、それらのみを調査研究することでも、本研究の目的をかなりの程度達成しうることを言い添えておきたい。
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