研究課題/領域番号 |
22K00884
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 公益社団法人部落問題研究所 |
研究代表者 |
坂井田 徹 (森下徹) 公益社団法人部落問題研究所, その他部局等, 研究員 (40529921)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 社会運動史 / 地域史 / 文化財保存運動史 / 教職員組合運動史 / 文化運動史 / 日本近現代史 / 地域社会史 / 文化財保存 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、高度成長期における泉北教組の活動や教育実践の展開を文化財保存問題を中心に検討することにある。大都市近郊に位置する和泉市では、高度成長による急激な地域開発の矛盾が、文化財保存問題として表出した。労働組合や市民団体を中心に、文化財保存運動が活発に展開されたが、その中心を泉北教組が担ったのである。 文化財保存運動に関わった泉北教組役員の個人所蔵史料の整理と分析を通して、教員の教育実践と結びつきつつ、市民の歴史学習運動、まちづくり運動としても展開された文化財保存運動の展開とその特徴を実証的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
研究の2年目となる2023年度も、初年度に引き続き、研究協力者1名の協力のもと、本研究の基礎史料となる、辻田政信氏所蔵文書(以下、辻田文書)および藤並行三氏所蔵文書(以下、藤並文書。いずれも和泉市教育委員会蔵)の整理作業に取り組んだ。辻田文書は目録化がほぼ完了し、藤並文書も9割以上の整理が完了した。 目録化作業と並行して、両文書に含まれる、泉北教組および文化財保存運動に関する史料の分析をすすめるとともに、1960年代後半に和泉市立和泉中学校の郷土研究部員として、地域の歴史学習と文化財保存に取り組んだ経験をお持ちの方の聞き取り調査を行い、書面(メール)にて当時の体験を提供していただくことができた。 こうした成果をふまえ、研究代表者は、2023年10月に開催された、第61回部落問題研究者全国集会歴史Ⅱ分科会において、報告「高度成長期の地域開発と文化財保存運動―大阪・泉北教組の活動を中心に―」を行った。 また、香川県立文書館にて,研究協力者2名の協力のもと、史料調査を行い、近現代史料の整理・保存方法を学ぶとともに、小豆島バス争議関係資料(高尾壽収集文書)などの社会運動関係資料を閲覧・収集した。 なお、聞き取り調査は、予定していた対象者のごく一部にとどまっており、最終年度となる2024年は、計画的に関係者からの聞き取り調査を実施する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
辻田文書および藤並文書の目録化完了の目処がつき、研究の基礎的な条件を整えることができた。また、目録化と平行して史料の分析にも取り組み、その中間成果を部落問題研究者全国集会歴史Ⅱ分科会にて報告することができた。 聞き取り調査については、メールでの取材により、当時の関係者から貴重な体験を伺うことができたが、予定していた対象者のごく一部にとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の基礎史料となる辻田文書および藤並文書の目録について、点検や統一を行い、完成させること、および、主要な史料についてデジタル化を行うことを最優先に取り組む。また、関係者からの聞き取り調査についても計画的に実施する必要がある。 完成した目録や主要史料、聞き取り調査の成果については、研究成果報告書にとりまとめ、公開する。
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