研究課題/領域番号 |
22K00888
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 九州歴史資料館 |
研究代表者 |
酒井 芳司 九州歴史資料館, 学芸調査室, 研究員(移行) (00543688)
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研究分担者 |
一瀬 智 福岡県立アジア文化交流センター, その他部局等, 主任研究員 (20543698)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 筑前国続風土記 / 地誌 / 福岡藩 / 貝原益軒 / 青柳種信 |
研究開始時の研究の概要 |
近世の福岡藩は、その統治した筑前国の地理と歴史を調査し、『筑前国続風土記』をはじめとする地誌を数度にわたり編纂した。編纂の際には、地域での聞き取りや現地踏査、古文書を調査しており、地誌には近世のみでなく、古代や中世の情報も多く含まれる。本研究においては、福岡藩が編纂した近世地誌をフルテキストのデータベースとして公開し、地誌の内容を容易に検索できるようにする。これによって、福岡県の地域史研究の基盤を創設し、あわせて地誌の写本の調査研究により、複雑な編纂過程を明らかにし、福岡藩の地誌編纂事業の全体像の解明に寄与するものとする。
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研究実績の概要 |
引き続き、福岡県の近世地誌のうち、福岡藩が編纂した『筑前国続風土記』『筑前国続風土記附録』『筑前国続風土記拾遺』について、刊本全体をチェックし、作成するデータベースに必要な機能や検索結果の表示形式など具体的な内容を検討した。検索した語句を含む前後のどれくらいの範囲を検索結果に表示させるか、刊本の該当ページとの対照をどのように可能にするかを検討した。『筑前国続風土記』『筑前国続風土記附録』『筑前国続風土記拾遺』との相互比較をすることを計画しているが、データベース製作にかかる費用を見合わせつつ、どこまで地誌を収録可能かを検討する必要が出て来ている。 また、それぞれの地誌の内容を通読しつつ、引き続き、フルテキストデータベースとして公開するに際し、注意しなければならない条件の取り扱いも検討課題であり、次年度にも引き続き検討する。 福岡県の近世地誌のうち、『筑前国続風土記』は元禄16年(1703)に福岡藩主に献上された28巻構成本と、それを改定して宝永6年(1709)に再提出された30巻構成本が存在するが、近世後期に全国的に多くの編纂があった各地の地誌において模範とされたこともあり、多数の写本が作成された。それらの写本にも28巻本と30巻本の両者が確認される。本研究では各種写本の比較検討をおこない、28巻本と30巻本の構成のほか、それぞれの中にも書き損じではない一定の異同がみられ、系統やグルーピングの整理が可能であることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データベース化する史料については、公開するデータベースに掲載する情報のうち、注意を要する情報をどのように取り扱うかについての調整と方針決定に、公務の多忙のために時間を要している。 貝原益軒とともに『筑前国続風土記』の編纂に従事した竹田定直による校正本の大野城市心のふるさと館所蔵の30巻本をはじめ、益軒全集所収本(30巻本)、九州歴史資料館(28巻本)、九州国立博物館(30巻本)、国立公文書館(28巻本5件)宮内庁書陵部(28巻本1件、30巻本3件)、西尾市岩瀬文庫(28巻本)、松浦史料博物館(30巻本)、筑波大学附属図書館(28巻本)、大和文華館(28巻本)、徳島県立図書館(28巻本)国文学研究資料館(28巻本)、早稲田大学図書館(28巻本1件、30巻本1件)の写本を調査し、比較分析を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
検討が必要なデータベースの形式や公開にあたっての調整事項については、寄贈史料の新規受け入れ等、公務の多忙により、史料のフルテキストデータベースについての研究協力者との協議や先進地視察が2年目に実施できなかったが、これを早急に実施し、方針を決定して、システム開発にも着手する予定である。 『筑前国続風土記』等、史料の書誌的な研究は計画通り進めて行くことが可能であると考える。引き続き『筑前国続風土記』の良質な写本について調査を実施してデータの精度を高めるとともに、研究の醸成と論文化を進める。
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