研究課題/領域番号 |
22K00900
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
平井 一臣 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (00199027)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 日韓関係 / 市民運動 / 民主化 / 70年代 / 社会運動 / 越境 / 人権 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1970年代の日本で展開された日韓連帯運動についての運動資料を調査・収集・整理し、日韓連帯運動を再構成する。また、同時期の韓国における民主化運動、朝鮮半島問題を中心とする東アジア国際関係の動向と関連づけ、越境型社会運動としての性格・特徴を明らかにする。 本研究は在日韓国・朝鮮人団体を含む様々な運動団体・関係者が残した資料を用い、知識人層中心の運動分析からは見えてこない運動の裾野の広がりや運動の担い手たちの意識構造に迫る。次に、越境型社会運動としての日韓連帯運動を捉えるため、日本側の資料だけでなく、連帯の対象であった韓国の民主化運動について韓国側の資料も活用する。
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研究実績の概要 |
70年代の日韓連帯運動に関する基礎資料の収集を行った。とくに朝鮮奨学会での在日韓国・朝鮮人団体発行の新聞記事、文化センターアリランでの梶村文庫所蔵資料、エル・ライブラリーでの関西地区における日韓連帯運動関連資料について、写真撮影もしくは複写を行ない、新聞や機関誌等の基本資料を一定程度収集することができた。 次に、韓国における民主化運動関連の資料状況について、ソウル及び釜山において調査を行った。とくに、ソウルでの調査においては、民主化運動記念事業会への訪問で大きな成果を挙げることができた。同会が収集・所蔵する資料についてアーキビストからの説明を受けるとともに、同会所属の研究者と意見交換を行い、これまでの韓国民主化運動研究では海外との関係は十分に検討されてこなかったが、近年、ドイツやアメリカなどの運動との関連にも研究が始められているとのことなど、本研究の研究史上の意義を確認できる情報を得ることができた。また、同事業会発行の『韓国民主化運動史』全3巻を始め、韓国民主化運動に対する国際的支援をテーマとしたシンポジウムの記録などを提供していただいた。 また、運動関係者からの聞き取りについては、2名の方からの聞き取りを行った。とくに、神戸で長年にわたり日韓連帯運動に従事されてきた飛田雄一氏からは、資料の提供も含め様々なお話をうかがうことができた。 これらの研究の成果の一部については、2022年9月20日に、福岡市で開催された九州韓国研究者フォーラムにおいて「70年代日韓市民連帯運動の諸相」と題して報告を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基本的な資料の収集については、初年度に予定していた施設を訪問することができたため、ほぼ計画通りに作業を進めることができた。韓国での資料調査についても、新型コロナ関連の規制が夏以降に緩和されたため、ソウルと釜山において調査を実施することができた。 運動関係者への聞き取りについては、スケジュールの都合により2名しか実施することができなかったが、1名からは資料の提供も受けることができ、一定の成果をあげることができた。 収集した資料のデータ整理や聞き取りの文字お越しについては、初年度の予算の関係上、行うことができなかったが、2年目に着実に実行する目途がたっている。 また、研究の中間報告を九州韓国研究者フォーラムにおいて発表し、参加者から有意なアドバイスをえることができた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の資料調査を踏まえて、①調査済の施設への追加調査を必要に応じて実施し、②初年度に調査できなかった施設への訪問調査を実施する。 初年度の収集資料を含め、収集した資料の目録データを作成し、また、聞き取り調査の文字お越しを行なう。 韓国では、民主化運動記念事業会をはじめとした資料館、図書館のうち、とくに日本関連の資料に焦点を絞って調査を行う予定である。 成果の公表については、初年度に行った韓国での資料調査についての報告原稿を1本、公表する予定にしている。また、所属する研究会もしくは学会において、研究成果の一部を報告する予定にしている。
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