研究課題/領域番号 |
22K00906
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 沖縄大学 |
研究代表者 |
若林 千代 沖縄大学, 経法商学部, 教授 (30322457)
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研究分担者 |
金 美恵 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (00774142)
森川 恭剛 琉球大学, 人文社会学部, 教授 (20274417)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 沖縄 / 米軍占領 / 社会史 / 周辺化 / 身体 / 法 / 秩序 / 人権 / 冷戦 / 占領 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、米軍統治下の沖縄における法・秩序・身体に注目し、占領と冷戦がもたらした社会変容を実証的に明らかにする。占領と冷戦によって「周辺化」された「身体」として、犯罪や政治事件に巻き込まれた住民、売春管理の対象としての女性、感染症対策、「国際児」と呼ばれた米軍人を父とする子どもとその母親・家族、また外国人等に焦点を当て、人びとを取り巻く法と秩序、政策や制度等がどのように形成され、運用されたのか、また、人びとの生活にどのような影響を与えたかについて考察する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、米軍統治下の沖縄における法・秩序・身体に注目し、占領と冷戦がもたらした社会変容について検証することである。米軍人関連の犯罪や反共主義による政治事件に巻き込まれた住民、米軍関連の歓楽街で働き、売買春の対象とされた女性たち、感染症対策の対象にされた住民、「国際児」と呼ばれた米軍人を父とする子ども・母親・家族、また「非琉球人」として管理の対象となった外国人等に焦点を当てている。彼らを取り巻く法と秩序、政策や制度等がどのように形成され、運用されたのか、また、人びとの生活にどのような影響を与えたのかを考察することによって、占領と冷戦の影響を受けた戦後沖縄社会全体の変容を考察する。 2022年度は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う制限により、予定していた米国国立公文書館他における日本未公開公文書の調査が不可能となったため、琉球大学附属図書館所蔵の琉球列島米国民政府裁判所の裁判記録をデジタル化と分析を中心に、収集・閲覧が可能な資料の調査をおこなった。いくつか課題は残されているが、新型コロナウイルスの感染拡大のなかでありながら、研究に進捗が見られた。戦後沖縄刑事法制史の基礎調査、政治事件に関する基礎調査、米軍から「非琉球人」として管理の対象とされた外国人の管理、また、2023年度での海外調査を視野に、国際福祉の資料整理と聞き取り調査等の予備調査をおこなった。 研究代表者と研究分担者は、共同研究会を開催し、社会変容と制度の変化が人びとの秩序意識に与えた影響の検証をおこなった。その際、研究協力者(親川裕子)と連携し、それぞれ、沖縄現代史(政治史・社会史)、刑法学(戦後沖縄刑事法制史)、沖縄のジェンダー/女性や国際人権論、東アジア現代史等の観点から、意見交換をおこなった。また、売春と刑事法、政治事件、外国人の地位と処遇等について、成果の一部を論文や口頭発表によって発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 2022年度は、依然として新型コロナウイルスの感染拡大という事態の下であったが、、研究代表者と研究分担者は、いくつかの研究計画の修正をおこないながら、研究をおこなった。 オンライン・ツールを通じて、継続的な共同研究会をおこない、各自の調査研究について共有し、互いの進捗状況を確認しつつ、共同研究を通じて、新たな知見を得た。研究代表者(若林千代)は、対日平和条約発効後の1953年に起きた政治事件(天願事件)について考察した。また、研究協力者(親川裕子)と連携し、国際福祉事務所の歴史的検証と聞き取り調査をおこなった。研究分担者(金美恵)は、占領期の外国人の法的地位について、外務省記録を中心に考察した。また、研究分担者(森川恭剛)が準備してきた刑事司法関係の裁判記録について、デジタル化と翻訳作業が進んだため、個別の課題、たとえば売買春に関連する裁判や政治裁判等を中心に、仮訳版に基づいた検証をおこなった。さらに、その資料から見える具体的な的考察について、意見交換をおこなった。これらの共同研究については、一部を論文や研究ノート、口頭発表として公表した。 同時に、米国公文書や米軍関係の資料他の日本未公開公文書や私文書等の調査について、オンライン調査によるフォローアップをおこなった。2022年度に予定していた調査は、新型コロナ感染症の影響により、米国の入国制限が解かれても、渡航費の高騰により、妥当なものではなかったため、実施されなかった。そのため、調査収集する資料の計画を若干変更し、オンラインによる閲覧可能な資料等について、予備調査をおこなった。そして、調査・閲覧が可能なものを中心に把握し、2023年度に向けて、資料整理を準備した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、新型コロナウイルスの感染が収束傾向のため、実際に資料館を訪問しての調査研究や共同研究をめざしている。そうした研究をとりまく条件を踏まえて、沖縄県公文書館および琉球大学図書館、沖縄大学図書館新崎盛暉文庫、国立国会図書館、外交史料館等において、米国公文書および琉球列島米国民政府の公文書、琉球政府文書等の検証と収集を継続する。具体的には、琉球列島米国民政府文書や琉球政府の法務部、琉球列島米国民政府公安局や渉外局をはじめとする司法や行政の住民管理の諸制度、外交文書、裁判に関する公文書等である。 このうち、公開公文書については、必要に応じてデジタル化処理をおこなう。米国国立公文書館や米国議会図書館、プリンストン大学他における日本未公開文書の調査については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と収束の状況を注視しつつ、また、米国への入国制限、移動制限などの状況を注視しつつ、可能な機会をできるだけ見定め、実施可能な場合には進めたい。困難な場合には、引き続きオンラインでの収集に努める。 同時に、共同研究会を引き続き開催し、社会変容と制度の変化が人びとの秩序意識に与えた影響について、資料収集の進捗状況を確認しつつ、意見交換をおこなう。その際、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止に配慮し、オンラインの会議ツール等を利用しつつ進める。また、関連する国内外の学術学会および研究集会のうち、オンライン等での口頭発表が可能な場合には、積極的に参加し、それが困難な場合には、共同研究を先に進めていく。
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