研究課題/領域番号 |
22K00915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 神戸大学 (2023) 下関市立大学 (2022) |
研究代表者 |
橘 誠 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (30647938)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | モンゴル国 / 関税 / 逃税 / 漢人商人 / ロシア人 / チベット人 / ボグド・ハーン / 国際法 / 領土 / フルンボイル / 帝政ロシア / 露蒙協定 / 付属議定書 / 近代モンゴル / 実効支配 |
研究開始時の研究の概要 |
遊牧を生業とするモンゴルでは、豊かな牧地は重要であるものの、統治においては集団の把握が優先され、牧地の境界も近代の領域国家のように明確なものではなかった。本研究は、そのようなモンゴルで、領土がいかに意識され、いかに掌握されていったのかを国際法の観点から明らかにしようとするものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、これまで注目されてこなかった、独立宣言直後のモンゴル国による国際法の援用について、主に領土と関税をめぐる政策からこれを見直そうとするものである。 研究期間の二年目にあたる今年度は、もともとコロナ禍が収束するであろうとの予測のもと「史料・文献収集期」として位置付けていた。昨年度実施できなかった、本研究に関する海外での史料調査を予定通り実施することができ、8月には、モンゴル国において開催された第12回世界モンゴル学者会議“PAX MONGOLICA AND HISTORICAL EXPERIENCE”において、Tariff Evaders: Tariff Issues in the early 20th century Mongoliaと題する報告を行うことができた。本報告では、関税徴収に関する諸規定がいかに整備されていったのかを整理し、さらにそれらの規定があるにもかかわらず、無関税特権を有するロシア人と共謀するなど様々な手段を駆使して逃税を図る漢人商人やモンゴル人による逃税の実態を明らかにした。そして、関税収入が国家財政の主要な財源となっていたモンゴル国政府が、これらの逃税に対して関税規則をその都度改定することによって対応していったことを合わせて考察した。 また、昨年度の国際会議の報告書が無事刊行され、モンゴル国において無関税となっていたチベット人に対するモンゴル国政府の政策を、国家元首たるボグド・ハーンの権力変遷と絡めて考察した「ボグド・ハーン政権期モンゴル国における対チベット人政策―関税問題からみるボグド・ハーンの権力変遷―」と題する論文も公にした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍以降初めて海外での史料調査を実施することができ、モンゴル国の中央公文書館において一週間ほどの調査を行い関連史料を収集した。また、国際会議でも報告することができ、本研究に関する論文も一本公にすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
所属が変わるなどの環境の変化はあったが、今年度はほぼ計画通りに研究を遂行することができた。次年度は研究計画上では「史料・文献整理研究期」となっており、これまでに史料調査で収集した史料や購入した文献を整理分析することになっている。また、研究の過程において得た新たな知見については然るべき学会で研究報告を行う予定である。
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