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1950年代~60年代、台湾農村における国民党権力の浸透と民衆の対応

研究課題

研究課題/領域番号 22K00926
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
研究機関筑波大学

研究代表者

山本 真  筑波大学, 人文社会系, 教授 (20316681)

研究分担者 洪 郁如  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (00350281)
前野 清太朗  金沢大学, グローバル文化・社会研究センター, 特任助教 (70844819)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード台湾 / 地域社会 / 中国国民党 / 台南 / 塩業 / 基層民生建設 / 農業水利 / 農村 / 塩村 / 国民党 / 1950年代
研究開始時の研究の概要

1950年代から60年代における台湾での国民党政権の統治について、農村部を対象として考察し、その支配の実相を具体的に解明する。内戦に敗北し中国を追われた国民党政権は残された台湾において、どのようにして長期にわたる支配を維持したのか。台湾民衆は外来政権の統治の下でいかに生きたのだろうか。この問いに答えるために、国民党政権の統治の前期である1950~60年代に台湾の農村部で実施された社会政策とそれへの民衆の対応、当時の民衆生活の実相を解明する。

研究実績の概要

代表者及び分担者の研究の進捗に照らして定期的に研究会を開催した。また台湾側の研究協力者を筑波大学に招聘して、オンライン・ハイブリッド方式での研究会を開催するとともに学術交流を実施した。具体的には以下のとおりである。
第1回:山本真氏(筑波大学)。題目「1950年代から60年代、台南での塩業と塩民の生活:基層民生建設運動と関連させて」。2023年8月3日(オンラインZoom)開催。
第2回 黄仁姿氏(国立政治大学)。題目「1950年代農復會的台灣農村調査」(使用言語中国語)。2023年11月18日。筑波大学人文社会系棟 B817ゼミ室+ Zoom(ハイブリッド方式)。
第3回 前野清太朗氏(金沢大学)。題目「台北近郊社会の「会」とコミュニティ」。2024年2月3日(土)(オンラインZoom)。特に第2回の黄氏については、本科研費で招聘し、戦後台湾農村建設の内容をご報告いただくとともに、戦後日本農村との比較研究の一環として、筑波大学中央図書館や国会図書館において、農業史関係の資料収集を実施いただいた。
台湾に赴いての資料調査、学術交流の方面では、2023年8月に代表者の山本は台北市、台南市、南投市を訪問し、国立政治大学、国立台湾大学、国立成功大学、国史館台湾文献館、国史館(新店)などで資料収集や聞き取りを行った。さらに2024年3月にも、台北市の中央研究院図書館、国立台湾図書館、成功大学図書館、屏東大学図書館で資料を収集するとともに、現地の研究者と交流を行った。日本国内では2023年7月、24年2月に国会図書館関西館に出張し、台湾関連資料を収集している。 なお分担者である洪は23年11月及び24月3月に、前野は23年8月から9月にかけて、そして24年2月に台湾での現地調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度は新型コロナの影響が強く、台湾に渡航しての調査、また日本国内でも遠方に赴いての資料調査には支障がでた。しかし23年5月以降は新型コロナが5類に移行し、台湾への入国後の活動や日本への帰国後の対応もコロナ禍以前の状況に復し、正常に研究を遂行できる環境が復活した。
分担者の前野が東京の上智大学から金沢大学に移籍したために、対面での研究会開催には不便が発生したが、オンラインで会議を継続できた。さらに台湾から研究協力者を筑波大学に招聘し、ハイブリッド方式で研究会を開催した。
2023年度も代表者・分担者は台湾へ渡航し、資料収集や現地調査を実施するだけでなく、国会図書館関西館や東京の東洋文庫などの研究機関に赴き、資料を積極的に収集した。さらに代表者は台湾在住の大学院生へ委託して資料収集を行うことも継続した。これにより、コロナ禍の影響が残った2022年度での研究の遅れを取り戻す方向で研究を進展させつつあると自己評価している。
代表者の山本は、本科研の研究会や日本華南学会の定例会において、本科研の研究テーマの一部、すなわち1950~60年代の台湾南部での塩業にかかわる国民党政府と労働者との関係、そして労働者の生活の実態について研究した成果を報告した。さらに、その文章化を進め、「1950~60年代、国民党政府の台湾社会への浸透と民衆の生活――台南県の塩村を事例として――」と題する論文として『社会文化史学』第68号(近刊)に発表することが決定している。また分担者の前野は「台北近郊社会の「会」とコミュニティ」を定例研究会で報告した。前野も台湾北部の調査地での調査を進めている。

今後の研究の推進方策

研究代表者と分担者は、引き続き日本国内や台湾において資料調査を実施し、それを読解・分析する。そして研究が進捗した成果を定期的に開催する科研研究会において報告・議論する。さらに外部の学会でも報告し、最終的には学術雑誌において公表する。
研究代表者である山本は、2024年10月以降12月末ごろまでの期間、中期的に台湾に滞在し、文献資料の収集や現地調査をインテンシブに実施する予定である。さらに台湾大学、政治大学、成功大学の研究者などとの学術交流を拡大する。分担者である洪は24年5月、7月に台湾中部および北部の実地調査を行い、前野は24年度は8月・3月ごろに訪問調査と資料調査を実施する予定である。
さらに24年度中に台湾側の研究協力者の一人である成功大学の陳文松教授を筑波大学に招聘し、本科研にかかわるテーマで研究報告を行っていただく予定である。そのうえで、本科研の研究分担者や筑波大学の大学院生との研究交流を推進することを計画している。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (23件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (6件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] 国立政治大学(台湾)(その他の国・地域)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「書評「閻美芳著『日本と中国の村落秩序の研究-生活論から見た「村の公」』」2023

    • 著者名/発表者名
      山本真
    • 雑誌名

      中国研究月報

      巻: 77巻2号 ページ: 41-46

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「1945 年青少年世代」台湾人の移動と歴史経験 : ある台湾系アメリカ女性軍医を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      洪郁如
    • 雑誌名

      言語文化

      巻: 60 ページ: 63-86

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 親族共住と地方的立地―台湾農村における「空き家屋群」2023

    • 著者名/発表者名
      前野清太朗
    • 雑誌名

      村落社会研究ジャーナル

      巻: 30巻1号 ページ: 3-8

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 書評:閻美芳著『日本と中国の村落秩序の研究-生活論から見た「村の公」』2023

    • 著者名/発表者名
      山本真
    • 雑誌名

      中国研究月報

      巻: 77巻2号 ページ: 41-46

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「誰の台湾史ー生きられた歴史からの問い」2023

    • 著者名/発表者名
      洪郁如(北村嘉恵と共著, 新田龍希構成)「誰の台湾史ー生きられた歴史からの問い」
    • 雑誌名

      ワセダアジアレビュー

      巻: 25 ページ: 48-57

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 1950 年代前半、共産党政権による山林改革と資源管理――福建省の事例から2022

    • 著者名/発表者名
      山本真
    • 雑誌名

      華南研究

      巻: 8 ページ: 19-36

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 台湾における 「家」と規範の力学2024

    • 著者名/発表者名
      前野清太朗
    • 学会等名
      EES神戸「住まいとライフスタイル」キックオフ研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 1950年代から60年代の台湾社会と基層民生建設運動:台湾南部の塩田地帯の事例を中心にして2023

    • 著者名/発表者名
      山本真
    • 学会等名
      日本華南学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 中国近現代社会史研究の動向について2023

    • 著者名/発表者名
      山本真
    • 学会等名
      中央大学人文科学研究所
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 20世紀前半、中国華南地域における秘密結社と武装勢力2023

    • 著者名/発表者名
      山本真
    • 学会等名
      慶應義塾大学東アジア研究所 『講座 歴史のなかの中国社会-疎外と連帯』
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] “History and Love in Records: The Generational Significance of Dr. Shyr-chuan Hahn's Memoirs”2023

    • 著者名/発表者名
      Ikujo KO
    • 学会等名
      Stone Spring Association
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 「鶯歌庄文書」と北台湾フィールド研究をつなぐ2023

    • 著者名/発表者名
      前野清太朗「「鶯歌庄文書」と北台湾フィールド研究をつなぐ」
    • 学会等名
      中国農村研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 1950年代前半、共産党政権による山林改革と資源管理:福建省の事例から2022

    • 著者名/発表者名
      山本真
    • 学会等名
      日本華南学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 台湾の「日本時代」を考える2022

    • 著者名/発表者名
      洪郁如
    • 学会等名
      九州大学台湾スタディーズ、第5回台湾事情
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 性別与歴史研究:再談「帝国学知」的内与外2022

    • 著者名/発表者名
      洪郁如
    • 学会等名
      台湾 政治大学国際漢学講座 「帝国学知與近代台湾」
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 『「現代村落」のエスノグラフィ ―― 台湾における「つながり」と村落の再構成2024

    • 著者名/発表者名
      前野清太朗
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      9784771037793
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「文化概観」『中国年鑑(2023年版)』)所収2023

    • 著者名/発表者名
      山本真
    • 総ページ数
      1
    • 出版者
      中国研究所
    • ISBN
      9784750355931
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「動向 文化 歴史学」(『中国年鑑(2023年版)』)所収2023

    • 著者名/発表者名
      山本 真・青山治世(共著)
    • 総ページ数
      3
    • 出版者
      中国研究所
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「女子教育」(山口みどり他編著『論点・ジェンダー史学』)所収2023

    • 著者名/発表者名
      洪郁如
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623093502
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「ジェンダーー「アジアの優等生」の過去・現在・未来」赤松美和子、若松大祐編『台湾を知るための72章 第2版』所収2022

    • 著者名/発表者名
      洪郁如
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      明石書店
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 「災害「のあとの」歴史――現代台湾の地域的記憶と歴史記述」東京大学東アジア藝文書院編『感染症・哲学・文学――私たちがコロナ禍で考えたこと』所収2022

    • 著者名/発表者名
      前野清太朗
    • 総ページ数
      26
    • 出版者
      論創社
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] 1950年代農復會的台灣農村調査2023

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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