研究課題/領域番号 |
22K00942
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
細川 道久 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (20209240)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | カナダ / イギリス帝国 / アメリカ合衆国 / 連邦結成 / 島嶼地域 / セトラー・コロニアリズム / 大陸横断国家 / 海洋国家 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまで別々に扱われてきたカナダ自治領の誕生〔連邦結成〕とその後の諸地域のカナダへの加入〔連邦編入〕を、ひと続きの過程として考察するとともに、研究が手薄だった島嶼地域の動きを重点的に分析する。 従来、カナダ連邦結成・編入は、中核地域の主導による「大陸横断国家」建設と解されてきた。しかし、実際には、大西洋と太平洋を介してヨーロッパやアジアと結ばれる「海洋国家」が指向されていたのではないか。それを島嶼地域に焦点を当てることで明らかにする。 本研究は、島嶼地域の動向分析を通して、カナダの歴史をグローバルな歴史と結びつけ、「カナダ=大陸横断国家」という見方を修正する試みである。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、1860年代から1940年代にかけてのカナダにおける連邦結成と連邦編入を連続的な過程として長期的に捉えるとともに、島嶼地域、特に、大西洋側のニューファンドランド島と太平洋側のバンクーバー島の動向を重点的に分析し、それを地域横断的に把握することで、島嶼地域からみた「カナダ連邦結成・連邦編入」史像を提示することを目指している。 ニューファンドランド島に関しては、これまで研究代表者は、科研費助成事業(研究課題「ニューファンドランドと北大西洋世界史―決裂と妥結のカナダ連邦加入交渉の分析」(2017~21年度)において、20世紀初頭~中葉のニューファンドランド島について分析を行なっており、本年度(2023年度)は、昨年度に引き続き、前研究課題で積み残していた1860年代の動向について考察を行なった。具体的には、ケベック会議におけるニューファンドランド島の扱いをめぐる議論を分析したうえで、ケベック会議で採択された「ケベック決議」が、同会議後のニューファンドランド島政府・議会等においてどのように受け止められたのかにつき考察し、その成果を論文化した。 バンクーバー島に関しては、前年度に引き続き、同島を含むブリティッシュ・コロンビアの通史の理解に努めた。連邦編入過程に関しては、考察に十分な時間を割くことができなかったが、その過程で「セトラー・コロニアリズム」の論点の重要性を見出した。そこで同地における歴史研究の動向と歴史教育の現状を分析し、歴史研究・歴史教育における「セトラー・コロニアリズム」が持つ意義を析出し、論文として発表した。論文執筆を通して、連邦編入をめぐるバンクーバー島とブリティッシュ・コロンビア本土それぞれの動向に先住民の処遇の問題をどのように組み入れるのか、つまり、「セトラー・コロニアリズム」の視点をいかに取り込むかを考究する手がかりを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、ニューファンドランド島については1860年代の考察結果の論文化ができたが、バンクーバー島を含むブリティッシュ・コロンビアの連邦編入それ自体については研究に十分な時間を割くことができなかった。また、国外での調査をすることができなかった。 以上の理由から、「やや遅れている」と自己評価した。とはいえ、ブリティッシュ・コロンビアの歴史研究・歴史教育の状況を分析することで「セトラー・コロニアリズム」の論点の重要性を見出すことができたことは、今後の研究にとって有益であった。また、カナダ史書の監修を通してカナダ史の全体像を検証・考究する機会を得たことも、今後の研究を進めるうえで貴重かつ有意義であった。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、バンクーバー島を含むブリティッシュ・コロンビアの通史の理解に一層努める。さらに、連邦編入をめぐるバンクーバー島とブリティッシュ・コロンビア本土それぞれの動向に先住民の処遇の問題をどのように組み入れるのか、つまり、「セトラー・コロニアリズム」の視点をいかに取り込むかについてさらに検討を行なう予定である。
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