研究課題/領域番号 |
22K00945
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
上村 敏郎 獨協大学, 外国語学部, 教授 (20624662)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ハプスブルク君主国 / 啓蒙改革 / 情報コミュニケーション / 知的公共圏 / 啓蒙結社 / 言論統制 / メディア戦略 / 18世紀 / 啓蒙 / メディア史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、オーストリアやドイツでの史料調査にもとづいて、新旧の異なる価値観が併存していた啓蒙改革期ハプスブルク君主国において、メディアを通じた情報コミュニケーションが社会や政治にどのような影響を与えたか、また反対にどのような影響を受けていたか、その相互作用について、2つの観点、すなわち、(1)政府/宮廷、(2)啓蒙結社(ドイツ・ユニオン)から検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、新旧の多様な価値観が併存した啓蒙改革期ハプスブルク君主国において、メディアを通じた情報コミュニケーションが社会や政治に及ぼした相互作用について解明することを目的としている。18世紀後半の知的公共圏の中で、多様な勢力が読者公衆に対して影響力を行使したと考えられるが、本研究では(1)政府/宮廷、(2)啓蒙結社(ドイツ・ユニオン)という2つのアクターがどのような形で公共圏の中での情報コミュニケーションに関与していたかを史料にもとづいて検証する。この研究を通じて、政治とメディアの関係や言論統制、メディア戦略など、現在でも争点のある問題について新たな知見が得られると思われる。 2023年度は、夏期休暇中にオーストリアのニーダーエスタライヒ州の州立文書館およびウィーンの国立文書館で史料調査を実施したほか、オーストリア国立図書館及びウィーン大学図書館で文献調査をおこなった。また、現地の研究者とも意見交換を実施した。 こうした史料調査の結果、ニーダーエスタライヒ州立文書館所蔵の警察関連文書(Praesidial Akten)で、政府が情報コミュニケーションをどのように統制しようとしていたのかを示すような史料を数点発見することができた。 研究成果の公開として、これまでおこなってきた研究の成果をまとめ、ガリツィアの啓蒙について論じた「18 世紀末ハプスブルク君主国におけるガリツィアの啓蒙 ――ガリツィアをめぐる啓蒙知識人の眼差し――」を『社会文化史学』67号にて発表した。また、ドイツ・ユニオンの関係者が1794年の靴屋の涜神事件と関係していた可能性を検証した論文「「酒場は大学、教会はクラブ」 ─18世紀末ウィーン郊外における職人たちの公共圏と啓蒙のネットワーク─ 」を『東欧史研究』46号で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本務校で学科長となり、学内業務のため、研究に割ける可処分時間が減っているが、夏期休暇中に集中的に史料調査を実施し、本研究に関係する史料を発見することができた。また、これまでの研究成果について論文にまとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究展開においては、これまで蒐集した史料をさらに分析しつつ、学会発表などを通じて研究成果として公表していくとともに、夏期に3週間程度オーストリアでの史料調査を実施する予定である。
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