研究課題/領域番号 |
22K00948
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
水戸部 由枝 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (20398902)
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研究分担者 |
原 葉子 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員(客員研究員) (30532155)
川越 修 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員(客員研究員) (40140090)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 東西ドイツ / セクシュアリティ / 家族 / エイジング / ライフコース / ドイツ / ドイツ再統一 / 社会国家 / 性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ドイツ再統一がもたらした親密圏における規範と制度・政策との相互作用を、社会国家概念を参照軸に据えて、社会史的観点から検証する。東ドイツの人びとは、西ドイツに吸収合併された再統一により、国家と社会の方向性ばかりか人びとの生き方を決定づけてきた性・家族規範・エイジングなどライフコースの大幅な軌道修正を求められた。この親密圏の核心領域における変化を、特に東側に焦点をあてつつ、東西間、国家・中間組織・個人間、世代間での性・家族・エイジング規範をめぐる相克の観点から明らかにすることを通じて、これまでの社会国家の制度・政策や社会国家性(「社会的なもの」)の変化とその行方について検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、とりわけ西ドイツモデル主導で調整されてきた規範と制度・政策の影響をうけ、かつ親密圏に関する研究蓄積の薄い東ドイツに重点をおき、この規範の中長期的な変化と親密圏を対象とした制度・政策の調整の齟齬からくる影響を、「性(生殖:水戸部担当)・家族(育児:川越担当)・エイジング(更年期:原担当)規範」(以下「規範」)を巡る相克の観点から解明することにある。 これらのテーマに共通する作業手順として、①再統一前の東西ドイツで、各問題領域にみられた「規範」を、主に既存の意識・世論調査結果と専門雑誌から掘り起こすこと、②統一期に東西間、国家・中間団体・個人間でみられた「規範」の違いが調整される過程を解明すること、③これら「規範」の中長期的な変化と親密圏で実施された制度化・法制化や、政策の間の相互作用の結果もたらされたドイツ社会の変容を分析することがあげられ、本年度は、①~③に関する実証作業を進めることが課題であった。 実証作業のうち、①インターネット上で閲覧可能なドイツ連邦議会議事録、連邦家族省発行の家族報告書、ドイツ民主共和国社会主義統一党大会記録の他、連邦労働・社会省の刊行資料やドイツ産科婦人科学会の学会誌、女性誌等のチェックを進め、家族報告書については作業を終了した。②ドイツにおける社会調査については、次年度の実施に向け、協力者・方法・調査内容を検討した。 来年度は、①ドイツ現地での既存の研究文献と意識・世論調査結果の収集、②「規範」の相克を巡る既存の調査や研究を補うための独自の社会調査を進め、課題の達成度と残された問題を検証する予定である。その上で、個別の研究成果が示す東西間、国家・中間組織・個人間の「規範」の違いを巡る独自調査のデータ分析をふまえ、社会国家の行方を考えるという研究目的に向けて研究成果をまとめる。成果はセミナーや学会報告、論文等を通じ社会に発信する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①研究代表者(水戸部)が2022年12月に出版した著書『近代ドイツにみるセクシュアリティと政治』に関する講演・書評会の準備等に相当時間を割き、本科研研究を予定通り進められなかった ②研究分担者(原)が2023年4月より所属機関変更となり、初年度の体制整備および業務対応により研究時間が十分に取れなかった ③研究分担者(川越)が研究テーマを、育児から家族政策全般にひろげたため
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、まず前年度の研究の遅れを取り戻すべく①性・家族・エイジング規範の相克を巡る既存の調査や研究を補うための独自のインタビュー・アンケート調査(2024年8-9月にドイツで実施する予定)を進め、課題の達成度と残された問題について検証する。そのうえで、社会国家の行方を考えるという研究目的に向けて研究成果をまとめる。成果はセミナーや学会報告、論文等を通じ社会に発信する。
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