研究課題/領域番号 |
22K00968
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
齊藤 豪大 久留米大学, 経済学部, 准教授 (80805408)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | スウェーデン / 水産資源変動 / 漁業政策 / 重商主義政策 / 補助金政策 / 捕鯨奨励 / 鰊 / グリーンランド会社 / 重商主義 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、水産資源変動を契機とする18世紀後半のスウェーデンにおける漁業支援政策の構想と実施展開について漁業補助金制度に注目して究明することにある。 スウェーデンは、18世紀半ばに鰊が大挙したことを契機として水産物輸出国へと変貌を遂げた。しかしながら、鰊の到来に対応可能な漁業システムが構築されておらず、資源変動に対応可能な漁業制度の構築が必要であり、そのための漁業支援が課題となった。 本研究は、18世紀後半に北ヨーロッパ屈指の水産物輸出国へと変貌するスウェーデン漁業の支援政策、特に漁業補助金制度に注目し、漁業委員会等の史料分析から同国における水産資源の「資源化」とその帰結を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、水産資源変動を契機とする18世紀後半のスウェーデンにおける漁業支援政策の構想と実施展開について漁業補助金制度に注目して究明することにある。 2022年度の研究実績は、以下二点に集約される。第一に、漁業基金ならびに漁業代表団の議事録等の史料、そして漁業関係法令の法史料の収集と分析に着手し、一定の知見を得たことにある。スウェーデン漁業の発展を目的として18世紀中葉から行われた漁業基金・漁業補助金制度の概要を把握したことに加えて、補助金の拠出要件などについても確認することができた。また、コロナ禍に伴う渡航制限によって閲覧できていなかった漁業基金の帳簿について、2023年の2月下旬から3月中旬にかけてスウェーデン国立文書館に赴き、史料の一部について閲覧・撮影してきた。この帳簿史料は膨大であり、今回の渡航において全てを撮影することができなかったため、次年度以降も調査及び分析に注力する予定である。 第二に、特権捕鯨会社であったグリーンランド会社に対する補助金政策の展開過程とその帰結について検討した論文を査読誌に投稿し、掲載されたことにある。スウェーデンでは、18世紀半ばから捕鯨奨励施策が行われ、1774年から1787年にかけて活動していたグリーンランド会社に対して漁業補助金による財政的な支援が行われていた。同社に対する財政支援の実態を詳らかにすることに加えて、支援を受けながらも解散してしまった理由について明らかにした。 これらの研究活動に加えて、漁業史・環境史ワークショップを開催することで、関連分野の研究者と議論する場を設けて、本研究課題の進展に資する議論を行い、現在の研究展開について一定の手応えを確認することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時と比べて海外渡航に関する制限が緩和されたこともあり、2023年の2月から3月にかけてストックホルムにある国立文書館と国立図書館にて史料調査ならびに文献収集に着手することができたことが第一の理由である。 また、関係史料の分析・検討を行うことができ、上述にあるような研究成果発信を行うことができたことからも順調に進展しているものと判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
第一に、今春の史料調査時に撮影できなかった漁業基金の帳簿史料を撮影するために、国立文書館に赴く予定である。 第二に、そのような帳簿史料とともに、漁業政策に関わった部局・人物の史資料を調査・分析する。 第三に、これまでの研究で入手できなかった二次文献の収集に努める。
|