研究課題/領域番号 |
22K00969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
片岡 太郎 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (80610188)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 縄文時代の漆器 / X線CT / 文化財科学 / 縄文時代 / 漆櫛 / 製作技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、縄文時代の漆櫛のCT断層像データを三次元データに変換して活用し、縄文時代の漆櫛の製作技術と製作工程をパターン化して、縄文時代の技術の受容と拡散について明らかにできるか検証する。その方法として、幾何学的形態測定学を応用して、外観の形状とともに内部の各製作段階における形状の変化を記録する。縄文時代の漆櫛の製作工程の各段階を個別に定量化することで、個別の人間関係における技術の伝達から集団間の技術交流までを議論することが可能かどうかを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、応募者がこれまで蓄積してきた縄文時代の漆器のCT断層像データを三次元データに変換して活用し、縄文時代の漆器の製作技術と製作工程をパターン化して、縄文時代の技術の受容と拡散について明らかにできるか検証することである。着目点は、外観の形状だけでなく、内部の各製作段階におけるパーツの形状である。 2022年度は、応募者がこれまで蓄積してきた漆櫛のCTデータ(青森県出土漆櫛10点、秋田県5点、宮城県42点、岩手県8点、新潟県20点、埼玉県4点、千葉県2点、島根県1点)に関し、漆櫛頭部の外観の形状、内部の骨組み(躯体)という各制作段階のパーツの形状を汎用的な三次元データ(ply形式、stl形式)へ変換した。なお、2022年度では、研究開始時にはなかった青森県内の漆器(川原平(1)遺跡出土の籃胎漆器など)のCT撮影を実施した。当該CTデータに関しては、次年度以降に検討するデータとして加える。 次年度(2023年度)は、得られた汎用的な三次元データに関して、幾何学的形態測定学手法を用いて特徴の抽出を試みる計画である。検討課題として、各製作段階のパーツの形状の三次元データ化の際、各製作段階のパーツの形状が完形でないことが多く、推測的な復元の余地を残したことが挙げられる。この推測的な復元が、各製作段階のパーツの形状を三次元座標として可視化する際、解剖学的に相同な標識点の座標を三次元的に記録するが、各座標の変量に推測が入ることで、どの程度変異パターンの真値に影響を及ぼすかの検討が必要である。2023年度までに得られた成果を日本文化財科学会や日本考古学協会等で成果発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、応募者がこれまで蓄積してきた漆櫛のCTデータ(青森県出土漆櫛10点、秋田県5点、宮城県42点、岩手県8点、新潟県20点、埼玉県4点、千葉県2点、島根県1点)に関し、漆櫛頭部の外観の形状、内部の骨組み(躯体)という各制作段階のパーツの形状を汎用的な三次元データ(ply形式、stl形式)へ変換を予定していた。これがおおむね達成できた。また新しいCTデータを追加することができた。以上により2022年度の進捗は、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に得られた漆器の汎用的な三次元データに関して、2023年度では、各製作段階を三次元座標として可視化した後に、幾何学的形態測定学の手法に則って、解剖学的に相同な標識点の座標を三次元的に記録し(三次元ランドマーク法など)、各座標の変量をそのまま主成分分析することによって変異パターンの傾向を抽出することを試みる。2023年度までに得られた成果を日本文化財科学会や日本考古学協会等で成果発表する予定である。
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