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バルカン半島における高精度の青銅器時代編年体系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K00979
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03050:考古学関連
研究機関(財)古代オリエント博物館

研究代表者

千本 真生  (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (10772105)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード考古学 / バルカン半島 / 青銅器時代 / 編年 / 土器 / 放射性炭素年代 / ブルガリア / ヨーロッパ
研究開始時の研究の概要

ヨーロッパ青銅器時代社会が複雑化した背景に西アジア都市社会との交流が指摘されてきたが、その実態はヨーロッパ・バルカン半島における編年研究が遅れているためまだ明らかにされていない。本研究では、半島南東部に位置するブルガリアを中心に高精度の青銅器時代編年を確立し、それを東地中海域からヨーロッパ内陸部にいたる広域の時間的枠組みと関連づけて、西ユーラシア青銅器時代編年体系の再構築を目指す。集落遺跡の発掘調査を含む現地調査を通じて出土状況などのコンテクストの明らかな資料を収集し、主に土器を対象にした型式学的分析による相対年代と、放射性炭素年代を組み合わせ、広域交易網の形成過程の解明を試みる。

研究実績の概要

本研究はバルカン半島南東部に位置するブルガリアで収集した資料を用いて、高精度青銅器時代編年の構築を試み、その地域的な編年を東地中海からヨーロッパ内陸部にかけての広域編年のなかに位置付けることを通じて、前3千年紀から前2千年紀にかけて西アジアとヨーロッパをつなぐ交易網が形成されていった過程とその実態を解明することを目的としている。
研究計画二年目は前年度と同様、ブルガリア南部に位置するアセノヴェツ遺跡の発掘調査を実施することができなかったため、予定を変更して1)ブルガリアに位置する他の青銅器時代遺跡から出土した土器の調査と、2)青銅器時代資料の放射性炭素年代の測定を行った。
本年はアセノヴェツ、コニョヴォ、オリゾヴォ・ミハイロヴォ、プロヴァディヤ・ソルニツァタの4遺跡を対象に調査を行い、新たに12点の放射性炭素年代値と土器のデータを収集した。アセノヴェツ遺跡では後期青銅器時代の資料を包含する層が同遺跡でもっとも古い文化層堆積として公表されていたものの、それより古いチェルナヴォダIII文化段階(前4千年紀第3四半期)と中期青銅器時代(前2千年紀前半)の年代値が得られた。また、これらの時期を示す押捺文系装飾や突起付把手をもつ鉢などの型式学的特徴をもつ土器を確認した。コニョヴォ遺跡では中期青銅器時代前半の型式学的特徴を示す土器を、オリゾヴォ・ミハイロヴォ遺跡では後期青銅器時代から初期鉄器時代への移行段階の土器を観察し、年代学に関する基礎的データを集めることができた。プロヴァディヤ・ソルニツァタ遺跡の埋葬址から2点のサンプルを得て分析した結果、前期・中期青銅器時代に年代づけられることが明らかになった。
さらに、前期青銅器時代集落のデャドヴォ遺跡で、中期・後期青銅器時代に年代づけられる土器を探索した。その結果、新たに中期青銅器時代に比定される土器資料を追加することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究計画の二年目に、ブルガリア国立考古学研究所のV.ペトロヴァ博士を調査隊長として、アセノヴェツ遺跡の発掘調査を実施し、青銅器時代層から分析資料を収集する予定であったが、一年目に続き、新たな遺跡発掘調査プロジェクトの申請許可がおりなかった。ペトロヴァ博士とはメールなどを通じて引き続き打ち合わせを行い、次年度の調査計画の申請準備を進めた。アセノヴェツ遺跡で発掘調査を行うことができなかったときの代替策として、当該遺跡の資料を収蔵・保管しているノヴァ・ザゴラ歴史博物館から資料調査の許可を前もって得ていたので、本年度に年代測定用サンプルの収集と土器の資料調査を行い、成果を得ることができた。また、その他の遺跡資料についても予定通り、年代測定用資料の回収と土器観察を現地で行うことができた。

今後の研究の推進方策

本研究計画最終年度にあたる三年目には、まず本年度収集した資料の年代測定を行う予定である。調査申請が採択されれば、アセノヴェツ遺跡の発掘調査を行い、発掘で得られた資料の整理と分析を進める。調査申請が採択されなかった場合は、アセノヴェツ遺跡とデャドヴォ遺跡など、これまでに放射性炭素年代値が得られている遺跡から出土した土器の資料調査を行う。得られた成果をまとめ、学会発表や論文として公表するなどして研究成果の発信を目指す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] ノヴァ・ザゴラ歴史博物館(ブルガリア)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Tracing the root of cord decoration on Early Bronze Age pottery in Upper Thrace2023

    • 著者名/発表者名
      Masao Semmoto
    • 雑誌名

      Steppe Transmissions

      巻: 0 ページ: 163-189

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書評 金原保夫著『トラキアの考古学』2022

    • 著者名/発表者名
      千本真生
    • 雑誌名

      オリエント

      巻: 65(1) ページ: 37-42

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ブルガリア前期・中期青銅器時代編年の現状と課題2022

    • 著者名/発表者名
      千本真生
    • 学会等名
      日本西アジア考古学会第27回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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