研究課題/領域番号 |
22K00987
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
片桐 千亜紀 九州大学, 比較社会文化研究院, 共同研究者 (70804730)
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研究分担者 |
中西 裕見子 九州大学, 比較社会文化研究院, 共同研究者 (10845754)
菅 浩伸 九州大学, 比較社会文化研究院, 教授 (20294390)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 戦跡水中文化遺産 / 沖縄戦 / 平和教育 / 8ヶ所の新たな戦跡水中文化遺産情報 / 強襲揚陸艦(LST447) / 巨大なバルドーアンカー / フォトグラメトリ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、太平洋戦争末期に日本最大の地上戦が展開された沖縄戦を、海からの視点で理解し直すため、その根幹となる戦跡水中文化遺産の分布状況を潜水調査によって把握し、正確な位置や内容など確実な情報のデータベースを構築するものである。現在、沖縄海域で公式に確認されている戦跡水中文化遺産はUSSエモンズのみだが、海底には沖縄戦で沈没あるいは破棄された戦跡水中文化遺産が潜在的に多数あることは容易に予想できる。本研究によって新たに確認され、集成される戦跡水中文化遺産の基礎データは、「海の沖縄戦」の実態を後世に伝える基盤的なものとなる。
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研究実績の概要 |
本研究は、太平洋戦争末期に日本最大の地上戦が展開された沖縄戦を、海からの視点で深く理解し直すため、その根幹となる戦跡水中文化遺産の分布状況を潜水調査によって把握し、正確な位置や内容など確実な情報のデータベースを構築するものである。 これまで、沖縄海域で公式に確認されている戦跡水中文化遺産は今帰仁村古宇利島沖に沈没しているUSSエモンズ1隻のみであったが、2022年度に実施した情報収集によって、沖縄本島で4ヶ所、慶良間諸島で2ヶ所、宮古諸島で1ヶ所、八重山諸島で1ヶ所の計8ヶ所で新たな戦跡水中文化遺産の可能性を示唆する情報を得ることができた。 次の段階として、その内の2ヶ所では実際に潜水調査を実施して戦跡水中文化遺産の有無とその状況の確認を行った。一つ目の慶良間諸島では米軍の強襲揚陸艦(LST)と噂されている戦跡水中文化遺産の確認を行った。米軍が保管する強襲揚陸艦の設計図を入手し、比較した結果、その水中遺跡は確かに米軍の強襲揚陸艦であることが確かめられた。米軍では、LST447という軍艦が慶良間諸島で沈没した記録が残されており、米軍によって記録された位置座礁と今回の調査で確認した位置座標はほぼ同じと考えられるようになった。二つ目は沖縄本島糸満沖で情報があった巨大なアンカーの確認を行った。その結果、そのアンカーはバルドーアンカーと呼ばれる米軍艦が装備していたものと同じものと考えられる。海底で確認されたバルドーアンカーの爪の長さは、人よりも巨大なものであり、米軍では空母、戦艦クラスの巨大な軍艦が装備していたものである可能性がでてきた。 この二つの戦跡水中文化遺産については、GPSによって位置座標を記録し、現状の写真撮影を行なった。また、フォトグラメトリによる3Dモデルも作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
沖縄県内で新たな戦跡水中文化遺産の候補となる海域の情報を複数集めることができた。また、その内、2ヶ所で潜水調査を実施し、新たな戦跡水中文化遺産を確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、情報が収集された残りの戦跡水中文化遺産についても潜水による確認調査を進める。また、現状を記録するためのフォトグラメトリによる3Dモデルの記録作業も継続して行う。最終的には沖縄の戦跡水中文化遺産の分布状況マップを作成する。
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