研究課題/領域番号 |
22K01001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
北川 千織 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 客員研究員 (10844798)
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研究分担者 |
覚張 隆史 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 助教 (70749530)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 古代エジプト / イヌ科 / ネコ科 / 骨形態 / ゲノム / 動物考古学 / エジプト考古学 / パレオゲノミクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の焦点は、動物の中でも歴史的に古くから人間と親密な関係を築いてきたイヌ科・ネコ科の動物(家畜イヌとその他イヌ科の動物:オオカミ、キツネなど、ネコ科は野生ネコ、家畜ネコ)について探ることである。具体的には、古代エジプトの遺跡から出土したそれらの動物遺体と、博物館所蔵の近代に蒐集されたそれらの資料/試料(予定としてはベルリン自然史博物館所蔵の動物標本)を用いて、骨形態の調査(マクロ)とゲノム解析(ミクロ)を行う。2つの方法を連携して行うことで、これらの動物の分類上の位置付けや病理を探り、そこからヒトと動物の関係史を復元することに貢献したい。
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研究実績の概要 |
本研究は、動物の中でも歴史的に特に古くから人間と親密な関係を築いてきたイヌ科・ネコ科の動物(家畜イヌとその他イヌ科の動物:オオカミ、キツネなど、ネコ科は野生ネコ、家畜ネコ)に焦点を当て、中エジプトの遺跡から出土したそれらの動物遺体、および博物館資料(試料)を用いて、マクロとミクロの調査を行う。これらの動物の分類上の位置付けや病理を探り、そこからヒトと動物の関係史解明に貢献することを目指す。 2022年度はパンデミック後、3年ぶりにフィールドワーク(ゲベル・アシュート遺跡)やサーベイ(ツナ・エル・ゲベル遺跡)を行うことができた。ゲベル・アシュート遺跡では動物遺体のデータ収集を行った。これは来年度以降も継続する。出土したイヌ科の動物骨に関しては研究協力者が幾何学的形態測定を行い、これまで私が行ってきたマクロの骨形態観察と計測と今後合わせて分析できる可能性が広がった。ネコ科の動物骨に関しては、現地で今年度あまり多く調査はできなかった。 ツナ・エル・ゲベル遺跡ではイヌ科・ネコ科の動物遺体の遺跡間比較研究が可能かどうかを調べるために地下動物ネクロポリスでサーベイを行ったが、動物遺体はトリが圧倒的に多く、イヌ科、ネコ科の動物骨は表面採集においては見当たらなかった。 博物館資料に関しては、ベルリンエジプト博物館とベルリン自然史博物館の資料の見学を行った。ベルリンエジプト博物館では初代館長によって収集され、収蔵庫に保管されている動物ミイラの調査を行い、その中にイヌ科の動物も含まれており記録を行った。ベルリン自然史博物館資料は、イヌ科とネコ科の標本を見学し、ゲノム調査のためにサンプリングを行いたい個体の確定と破壊調査に伴う申請を行った。マクロの調査は来年度以降に行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はエジプトでフィールド調査を行い、対象となる動物種のマクロ分析(肉眼による分析)と記録ができた。ミクロ(ゲノム分析)は来年度に予定している。 博物館資料に関しては、ベルリンエジプト博物館の収蔵庫にある動物ミイラの対象種の調査を行うことができた。ベルリン自然史博物館の北アフリカで収集された対象種の標本を見学することができ、古ゲノム調査のための試料採取をしたい個体を特定し、サンプリングの申請を行った。 これまでの成果は6月と8月に国際研究集会で口頭発表を行い、金沢大学の講義でもゲストスピーカーとして公開した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度はエジプト現地調査で資料のマクロ調査を継続する。ミクロ調査に関しては、2023年度にエジプトのフィールドにてポータブル機器による実験と、ベルリンの古ゲノムラボにおいて博物館の試料の分析を行う予定である。 博物館資料のマクロの調査も2023年度に行う予定である。
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