研究課題/領域番号 |
22K01023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 |
研究代表者 |
境野 飛鳥 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 客員研究員 (80622092)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 博物館施策 / 文化財保護 / 占領期 / GHQ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第二次世界大戦後の占領期におけるGHQの博物館概念及び博物館施策を明らかにし、それが日本の博物館制度に与えた影響を考察することを目的としている。占領期には様々な博物館改革が実施されており、国立博物館については、その任務や所属が数年ごとに改められるなど、激動の時代にあった。既往研究においては、こうした状況を個々の博物館の成立史として解釈し、主に日本側資料に基づいた歴史研究が進められてきた。本研究は『GHQ/SCAP文書』を用いて、GHQの視座に立って、当時の「日本の博物館」の総体を捉え、その歴史を再考するものである。
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研究実績の概要 |
本研究では占領期の日本の博物館に対するGHQの施策を明らかにする。日本では第二次世界大戦後の占領期に様々な博物館改革が実施されており、国立博物館については、その任務や所属が数年ごとに改められるなど、激動の時代にあった。既往研究においては、こうした状況を個々の博物館の成立史として解釈し、主に日本側資料に基づいた歴史研究が進められてきた。本研究は『GHQ/SCAP文書』を用いることで、GHQの視座に立って、その歴史を再考するものである。 国立国会図書館所蔵の『GHQ/SCAP文書』はGHQの各部局において保存されていた占領行政資料であり、総数3000万枚にも及ぶとされる膨大な資料である。同資料には分類番号が付されており、マイクロフィッシュの形態で保存されている。本研究の初年度は、コロナ禍の影響で国立国会図書館の利用が抽選予約制になっていることに鑑み、同館の開館時間や入場制限に左右されずに自身の研究環境で分類番号「840(文化財)」のマイクロフィッシュを効率的に調査する体制を整えた。 調査の結果、GHQが日本の博物館の総体を理解するために作成した各種報告書の存在を確認した。また、GHQの民間情報教育局の会議録には表題にMuseumが含まれているものが300件以上存在していることを確認した。その他調査した資料を合計し、今年度は『GHQ/SCAP文書』のマイクロフィッシュ 175枚約17,500コマの調査・収集を実現した。 また、今年度は国立公文書館、東京国立博物館、神奈川県立近代美術館において、戦前戦後に文化財保護に尽力した日本人専門家の資料の調査を実施した。特に、神奈川県立近代美術館葉山館美術図書室が所蔵する『矢代文庫』では、『GHQ/SCAP文書』で明らかになった事実を補完する資料や、矢代幸雄の書簡や自筆資料を中心に17件の資料の調査・撮影を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述の通り、本研究ではコロナ禍の影響で国立国会図書館の利用が抽選予約制になっていることに鑑み、自身の研究環境でマイクロフィッシュを調査する体制を整えた。研究当初よりこのような体制構築を目指したことにより、コロナ禍の影響を全く感じずに、自身のペースで研究を行うことができたため、調査はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、『GHQ/SCAP文書』を中心に資料調査を進める。また、占領期に文化財保護に尽力した日本人専門家の資料調査も継続し、当時の博物館施策や文化財保護行政に関わる新しい記録の発掘に臨む。
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