研究課題/領域番号 |
22K01025
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 |
研究代表者 |
大島 光春 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (40260343)
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研究分担者 |
田口 公則 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (70300960)
加藤 ゆき 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 情報資料課長 (70342946)
松本 涼子 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 学芸員 (00710138)
鈴木 聡 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 学芸員 (40782313)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 三次元デジタルデータ / オープンデータ化 / 脊椎動物標本 / 骨格標本 / 標本データの権利関係 / 自然史標本 / 標本データの権利 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①標本(特に古脊椎動物と現生脊椎動物の骨格標本)の3Dデータを制作する、②3Dデータを使って研究や展示を含めた教育普及活動を行う、③それらの3Dデータを既存のDBで公開する。特に③を最終目的とし、少なくとも当館においてオープンサイエンスデータ化をめざす。その際の経験から利用条件の設定などについて整理し、おもに博物館関係者にを対象に、3Dデータ利用やオープンデータ化の新しいルールを提案することを目標とする。
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研究実績の概要 |
生物学の研究・教育および普及活動において、標本の三次元デジタルデータ(以下、3Dデータ)化とその活用は、映像からモデルまで多様で正確な情報を提供し、科学的な理解に大きな役割を果たしている。しかし、3Dデータの保存・管理方針や公共財として利活用する際の権利などについて論点が整理され共有されているわけではない。3Dデータは、画像・映像として、また3Dプリント等のデジタル・ファブリケーションにも 活用できるので、研究・展示などの教育普及およびオンライン学習目的にとどまらず、商業利用の素材としても大きな可能性を持っており、社会的にもオープンデータ化の期待が高まっている。本研究では、自然史博物館が所蔵する標本の3Dデータ化とそれを利用した展示制作をおこなうと共に3Dデータのオープンアクセス化について条件の整理を試み、利用のルールを提案する。 令和5年度は前年度に引き続き、主に両生・爬虫類、陸生哺乳類、鳥類、古脊椎動物(主に爬虫類)の各分野で頭骨を中心に3Dスキャナやフォトグラメトリーで3次元デジタルデータを制作し、蓄積を進めた。哺乳類では生命の星・地球博物館のウェッブサイト内「神奈川の自然 哺乳類」<3D画像からさがす>で試験的に公開している。当該サイトの活用のされ方や活用方法の提案も研究課題となってきた。それらに加えて3Dデータを活用して比較形態学的研究も進めている。 分担者の田口が「西富岡・向畑遺跡出土の木の自然乾燥について」をかながわ考古学財団設立30周年記念公開セミナー「ようこそ縄文の森へ ~自然科学と考古学から探る伊勢原の埋没林~ 」で発表した。また、」7/6(木)に当館で「自然史イメージング研究会OMDS株式会社ほかと開催し、大島、田口がそれぞれ話題提供した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度3Dスキャナを導入したが、光源がまぶしいと苦情が発生したために設置場所の確保までに調整を要した上に、期待した精度使い勝手の良い3Dデータの制作技術に習熟するのに時間がかかってしまった。またデータを扱うための3Dソフトウェアの操作の習熟にも時間を要し、全体の作業が遅れてしまった。 現在は上記の問題はほぼ解決したので、今後は計画した程度のスピードで3Dデータ制作の作業は進められると予測している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、今年度最終年度となり、研究成果をまとめることを念頭に今後以下のプロセスで進める。 進行中:令和6年については現在進行中の ① 生命の星・地球博物館が所蔵する標本の3Dデータ化について、より多くの標本のデータを集積する。また、そのデータを活用して生物学的研究を行い、その成果を普及活動に応用する。 ② 博物館におけるオープン化された3Dデータの利用ルールを新たにつくる。制作した3Dデータは、(一部は研究で使用した あと)当館の収蔵資料DB Musetheque に登録し、公開する。現在公開されている標本の属性情報や2D画像には二次利用の条件が示されている 。 取り掛かる:③3Dデータをどの程度オープン化できるかについては、使用条件と共に検討する必要がある。現在提供中の2D画像データの権利関係を整理し、今後進める3Dにおいて営利的な利用の制限と、流通や利用促進のバランスを考慮した議論を進める。その後当館の3Dデータ利用のルールを学会などで 博物館界に提案することで議論のきっかけとしたい。 その後:④ 3Dデータを使った展示を制作・複数箇所で同時開催する。3Dデータを使い、3Dデータだからこそ可能になる展示や展示方法を考え、小規模な企画展で試行する。また、今年度に開催できるかは検討が必要だが、同時展示の後は巡回展として、また学校等で教材として活用していきたい。
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