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永久凍土環境における熱収縮クラック伝播プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K01028
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分04010:地理学関連
研究機関北見工業大学

研究代表者

渡邊 達也  北見工業大学, 工学部, 准教授 (80636168)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード熱収縮クラック / 永久凍土 / 多角形土 / 大雪山 / 周氷河地形 / 周氷河プロセス / 地形
研究開始時の研究の概要

北極域などの周氷河環境下では,地盤の熱収縮クラックにより多角形土が広く分布する.熱収縮クラックの発生地温条件の解明はこれまでにも行われてきたが,地盤構成物質の影響やクラックの伝播プロセスについては未解明な点が残されている.本研究では,熱収縮クラック伝播検出装置を作製して,北海道大雪山系を中心に野外観測を実施し,熱収縮クラックの発生条件・伝播プロセスに関する知見の蓄積を進めることを目的とする.また,大雪山系に分布する多角形土は日本国内に現存する希少な周氷河地形であり,その活動度や形成史について解明を進める.

研究実績の概要

今年度は、既設の観測機器のデータに加え、2022年秋に新たに設置・埋設した熱収縮クラック検出装置、加速度計のデータを取得した。熱収縮クラック検出装置では、熱収縮クラックの発生、深部方向へのクラックの伝搬、発生時期を捉えることができた。熱収縮クラックは、12月~1月にかけての地温が急激に低下したタイミングで発生しており、2~3月の厳冬期に発生する傾向がある北極ツンドラ域の熱収縮クラックとは発生時期が異なる。北極ツンドラ地域で熱収縮クラック起源の多角形土が卓越するシルト質土と大雪山山頂域の砂質土では、力学的特性が異なることが影響しているものと考えられる。クラックの深部方向への伝搬は、一度のイベントで最大深度まで達する場合と段階的に深部へ進んでいく場合がみられた。加速度計では、熱収縮クラックによるケーブル断線と同じタイミングで加速度イベントが記録された。加速度の大きさが5Gを上回る規模のイベントも検出された。5G以上の加速度イベントを伴う熱収縮クラックは、永久凍土(深さ約1m)に達する規模のクラックであると考えられているが、大雪山の熱収縮クラックの最大到達深度は30cm程度であった。地表面では北極ツンドラ地域と同等の加速度イベントが生じるものの、土質や永久凍土温度の違いによってクラックの最大到達深度は浅い深度に限定的になっているものとみられる。
同様の観測体制で2023/2024年シーズンの観測を実施しており、更なるデータの蓄積を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に作製・埋設した熱収縮クラック伝搬検出装置で、熱収縮クラックの発生タイミングを捉えられたことから、狙いとしていたデータの取得に成功したといえる。引き続き観測を継続しデータを蓄積することで、大雪山における熱収縮クラックの発生条件を明らかにできると考えられる。

今後の研究の推進方策

現地観測を継続しており、さらなるデータの蓄積を進めていく。また、大雪山での熱収縮クラック発生時期は、北極ツンドラ地域で報告されているものより早いことから、どのような熱応力条件でクラックが発生しているのか、地温、土質データ等を用いて熱応力の算出を行う。また、熱収縮クラック発生時の加速度の規模は何を示唆するものなのか、蓄積したデータから検討を行う。そして、これまでのデータを取りまとめ、学会発表・論文執筆を進める。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 北海道,大雪山における最近の永久凍土・周氷河地形調査2023

    • 著者名/発表者名
      曽根敏雄・岩花剛・森淳子・渡邊達也
    • 学会等名
      日本地理学会2023年春季学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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