研究課題/領域番号 |
22K01039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
足立 幸穂 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (50512448)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 大雨 / 降水システム / 日射影響 / 数値モデル / 集中豪雨 / 日射 / 降水擾乱 / 数値シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
経験的に「集中豪雨は夜間に起こりやすい」と言われることがある。しかし、なぜ、豪雨は夜間に多いのだろうか?本課題では、過去に発生した実際の豪雨事例を対象に、豪雨を発生させる降水擾乱に対する日射影響の有無について、物理的観点から調査を行い、影響の有無を明らかにする。対象事例は、過去の気象観測データから抽出する。降水擾乱に対する日射影響は、数値モデルによる感度実験の結果を用いて調査する。
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研究実績の概要 |
昨年度の実験から、対象としていた現実事例の降水イベントにおいては、現象がもつ非線形的特性により、降水の計算とは直接関係しない小規模なモデルの変更でさえも、実験結果に無視できない程度の影響を及ぼす可能性が示された。本課題では、実際に起こった現実事例を対象とする方針自体に変更はないが、現実事例を対象とした実験に先立ち、実事例よりも非線形性が小さいと期待される準理想条件下での降水事例を対象に、雲物理スキームやスキーム内の設定の違いに由来する計算結果への影響理解を優先することとした。 事例としては、準理想条件でのスコールラインケースを取り上げた。One moment bulkスキーム(Tomita, 2008)では、雲水の粒径分布の切片パラメータの感度が大きく、スコールライン形成期の降水量が Two moment bulk スキーム(Seiki and Nakajima, 2014)よりも多い特徴がある。一方、 Two moment bulk スキームは、One moment bulk スキームに比べて、雲氷が大気中に残りやすく、スコールライン形成期の降水量は少ない。スコールラインの発達期以降では、両者のスキームの間の降水量の差は小さくなる。ただし、蒸発冷却に伴う下層の温度低下量はOne moment bulkスキームの方が大きく、この結果、コールドプール、および、スコールラインの移動速度の違いをもたらす。 One moment bulkスキームとTwo moment bulk スキームの違いである上空の雲氷は日射影響の見積り時の感度にも違いが出てくる可能性も考えられる。今年度実施した、基礎的な感度実験での知見を考慮した上で、実際の降水事例に対する日射影響についての影響評価を実施する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度実施した実験の結果が想定と異なる結果であったため、計画していた感度実験の前に、基礎的な実験などを行なっており、当初の計画よりは遅れている。しかしながら、今年度、得られた知見は、本実験を実施する上で重要なプロセスであり、ここでの結果を踏まえながら、計画に沿って進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画からは少し遅れているものの、計画に従って進めていく予定である。
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