研究課題/領域番号 |
22K01060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
島津 俊之 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60216075)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 地理学史 / 地理的モニュメント / 芸術 / 地理擬人像 / 心象地理 / 帝国主義 / 政治社会的イデオロギー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,空間や場所の地理的特性を表現した造立物を「地理的モニュメント」の一種とみなして固有の研究対象とし,第一次世界大戦までのフランクフルト・ロンドン・ウィーンを事例に,都市・国家・大陸を擬人化した地理的モニュメントがいかなる理由でどのように造立されてきたのか,それらにはいかなる心象地理がどのように刻み込まれてきたのか,そして,地理的モニュメントの造立が,地域主義・国家主義・帝国主義に代表される多スケールの政治社会的イデオロギーや実践とどのように接合してきたのかを,時空間的多様性を考慮しつつ明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度は前年度に引き続き,ウェブ検索や国内の諸機関への訪問に基づく文献資料や写真資料等の収集と,国際学会での発表,及び次年度の国際学会でのセッション提案とアブストラクトの執筆を行った。国際学会での発表は,2023年6月7日にイタリア・ミラノで開催されたIGU(国際地理学連合)のテーマ会議"The Ocean and Seas in Geographical Thought"において,18世紀におけるロンドン・東インド会社の社屋の内外を飾る地理的モニュメントの造形や配置の変化が,イギリスの「海上帝国」としての発展といかに関わっていたかを論じた。また,本科研のテーマである《地理的モニュメントと地域主義・国家主義・帝国主義の接合》に密接に関連する2017-22年度の科研テーマ《地理学と国際主義の接合》(課題番号17K03248)に関して,"A whole new world of chigaku: The early years of the Tokyo Geographical Society, 1879-1900"と題するフルペーパーを脱稿し,Springer Nature社から"Geographical Societies in the Nineteenth Century"(ed. M. Georg)として刊行予定の編著書に掲載予定で現在編集中である。また本年度は,次年度8月にアイルランド・ダブリンで開催予定のIGC(国際地理学会議)における地理学史コミッションのセッション"Art and Geographical Thought: The Different Forms of the Geographer's Art?"を提案して採択され,同セッションでの発表に向けたアブストラクト"Allegorical statues and geographical scale: Personified continents and cities in Frankfurt am Main,1840s-1910s"を提出し受理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ミラノにおける国際学会での発表は,その内容がセッションのオーガナイザーであったMarcella Schmidt di Friedberg教授(University of Milan-Bicocca)から高く評価された。関連する英文論文も順調に刊行へと向かっている。また,次年度の国際学会ではセッションのオーガナイザーとして認められ,自らの発表も含めてセッションを統括することになる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き国内国外での資料収集に努めるとともに,国際学会での発表とディスカッションを通じてフルペーパーの質を高めて投稿する。
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