研究課題/領域番号 |
22K01063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
杉山 武志 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (40647830)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 地方政治 / 都市化 / 地域再生 / コミュニティ経済 / 地域的差異 / レゾンデートル / 倫理的・政治的空間 / 地域再生政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「地方政治の過渡期」における地域再生政策の変化とコミュニティ経済の地域的差異について、理論的成果に基づきながら、経験論的に明らかにすることにある。ここでいう「地方政治の過渡期」とは、都道府県レベルにおける長期政権後、すなわち、新政権による政治・政策が推進される時期を指す。具体的には兵庫県を事例に、1)「地方政治の過渡期」において広域自治体の地域再生政策がコミュニティ経済にどう影響を及ぼすのか、2)その地域再生政策を活用する各地域のコミュニティ経済がどのような動揺や変容を経験するか、3)「地方政治の過渡期」を経てコミュニティ経済の地域的差異が新たに生じるのか否か、研究する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「地方政治の過渡期」における地域再生政策の変化とコミュニティ経済の地域的差異について、理論的成果に基づきながら、事例の調査研究を進めて経験論的に明らかにすることである。本年度の成果は、主に次の4点であった。 1点目は、昨年度の「今後の研究の推進方策」に明記していたコミュニティ経済の倫理的側面に関する実証研究の一つとして、地方圏についての特集が組まれた雑誌論文に、より善き経済を目指すコミュニティ経済についての研究成果を得ることができたことである。 2点目は、兵庫県の地域再生政策によるコミュニティ経済の変容を探るうえで「デジタル化」が鍵を握るようになってきている。その前段階として、地方創生政策とデジタル化についての検討が必要になったため、そのリサーチした結果を紀要の研究ノートとしてまとめて発表した。 3点目は、前年度より進めていた兵庫県内の各地域におけるコミュニティ経済の担い手へのインタビュー調査を継続して進められたことである。4点目は、兵庫県の地域再生政策をめぐるコミュニティ経済の地域的差異の把握にむけて空間構造の分析を進めることができたことである。これらの研究成果の一部は、2024年日本地理学会春季学術大会において口頭発表を行った。一連の研究結果からは、兵庫県の地域再生政策がもたらすコミュニティ経済の「倫理的・政治的空間」への変容が、地域の存在価値(レゾンデートル)と関連していることが次第に明らかになりつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)地方圏のコミュニティ経済にかかる雑誌論文の成果が得られたこと。 2)兵庫県の地域再生政策の新たな動きと中身を概ね順調に把握することができていること。 3)調査協力を得られたコミュニティ経済の担い手たちへのインタビュー調査を概ね順調に進めることができたこと。 4)兵庫県の地域再生政策をめぐるコミュニティ経済の地域的差異に関する空間構造の分析を概ね順調に進めることができたこと。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、以下の推進方策をもってさらなる研究成果を得ていきたい。 1)コミュニティ経済の倫理的視角との関係を考えるなかで明らかになってきた地域再生政策と存在価値の視角から「地方政治の過渡期」における地域再生政策をめぐるコミュニティ経済の変容とその原因を明らかにする。一方で「地方政治」そのものについての理論的な蓄積がやや弱いように思うので、研究を進めて知見の補強をはかる。 2)1)を深耕するためにも、さらなる調査と空間構造の分析を継続して実施する。ただし、調査に関しては、当初の研究計画において地域再生政策を活用するコミュニティ経済の担い手のみを想定していたが、研究を進めるに伴い、担い手を支える諸主体にも調査を行ったほうが「地方政治の過渡期」の地域再生政策をめぐる現実の声をより一層把握できる可能性が次第に分かってきた。そのため、今後はコミュニティ経済の担い手を支える支援側の諸主体への調査も検討する。
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