研究課題/領域番号 |
22K01082
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
|
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 在日ロシア語圏移住者 / 空間人類学 / 場所づくり / 住まい / 居住経路 / マテリアリティ / コミュニティ形成 / 社会統合 / エスニックビジネス / 空間 / 居住 / オンライン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、複数の空間を交差する移住者の実践、とりわけ在日ロシア語圏移住者における居住経路や場所づくり、商業等を調査し、多様な空間を組み込み、移住者の生活を多時空的に捉えるフレームワークの発展を目的とする。その結果、空間人類学への貢献と共に、「外国人生活者」「多文化共生」等の試みに代表されるような、日本が課題としている移住者の社会統合の方向性を調整するための提言を行う。調査方法は、伝統的な参与観察やインタビュー、撮影を用いる他、サイバー・エスノグラフィーやビジュアルな民族誌等を適用する。
|
研究実績の概要 |
2023年度には東京の他、神奈川県と兵庫県にて在日ロシア語圏移住者を対象とした参与観察、インタビューを行い、家屋の活用と結びつく日露家庭によるDIY実践やアート活動、また地域の活性化・多文化化についてのデータを取得した。8月には、ハンブルク(ドイツ)にて移民地区などの調査、また、2月に、在日ロシア語圏移住者の多くの先代が来日する前に経由としたハルビン(中国)で調査を行った。また、これまでのデータ分析を続け、住居および転居をめぐるビジュアルエスノグラフィーのアプローチを洗練し、論文にまとめた(印刷中)。国際誌Housing, Theory and Societyで掲載された論文では、人類学の古典的概念をもとに新たなツールキットを提供し、移民集住地の理解を深めた。 さらに、在日ロシア語圏移住者に対する、ロシアによるウクライナ侵攻による影響について考察し、アート実践を取り入れた外国人墓地での調査を行った上で、論文を執筆する他、移民政策学会のシンポジウムとして、「政治変動とディアスポラー『帰れない』在日移民たちをめぐってー」という学術イベントを共同企画した。 9月にはカールスタード大学から共同研究者を短期受け入れし、ワークショップを開き、意見交換を行った。その結果、現在国際共著のプロジェクトを進めている。 学会発表は、国内では日本生活学会と移民政策学会、海外ではコンコルディア大学でのHome/Making Symposium、ハンブルク大学でのMigration Conferenceで実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
参与観察およびインタビューを順調に行い、学会発表と論文を通じ成果の公表ができ、また、今後の調査や研究者同士のコラボレーションのための機会を確保した。
|
今後の研究の推進方策 |
住宅の建設やDIYリフォームに伴う実践の参与観察、インタビューを行う(神奈川県、長野県など)。また、オフライン/オンラインでのコミュニティ活動やエスニックビジネスなどを対象に移住者によるプレイスメイキング実践を引き続き調査し、移住者にとっての空間と帰属意識の関係・意味合いを検討する。
|