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新規移住者と旧住民による新たな村落コミュニティ構築に関する現代民俗誌的検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K01090
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分04030:文化人類学および民俗学関連
研究機関千葉大学

研究代表者

和田 健  千葉大学, 大学院国際学術研究院, 教授 (20292485)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード新規移住者 / 旧住民 / Iターン / 民俗慣行 / 生活改善 / 協業関係
研究開始時の研究の概要

本研究は、人口減少、高齢化が著しい農村の社会運営における、新規移住者と旧住民とによる創造的な協働について、検証する。
そのモデルとして、地域振興に関わる新旧住民の協働を前提とした取り組みを行う(中山間地域および離島を対象に民俗誌的に記述する。具体的には、地域の振興をめざし再創造される新旧住民によるコミュニティのあり方を、そこに伝承される民俗慣行の受け取り方そして双方合意のあり方を考える。旧来のむらに伝承される民俗慣行を新規移住者がどのように捉え、そして旧住民とともに悩みながら考えていくか。また新規移住者通じてもたらされるむら外の人的なつながりが与える新たな創造性は何かを考察する。

研究実績の概要

本研究は、過疎化が進む農山漁村における新規移住者の果たす役割について考察をするものである。対象としている千葉県鴨川市および東京都八丈町を対象に移住者の旧来よりある社会への関わりについて、聞き取り調査を行っている。
2023年度は、おもに鴨川市釜沼集落における移住者のリーダーと後からつづいて入ってくる新規移住者家族が、過疎化が進むなかでの旧来にツキアイへの関わりについて聞き取りを行った。また旧来の村落組織の共同関係(祭礼組織の運営や屋根換えのもやいなど)についても調べた。
新規移住者は超高齢化によりむらの共同作業である草刈り、枝切りそして有害鳥獣を防ぐための電気柵の設置と管理に大きな役割を果たしている。むらの共同作業の決めごとは旧来の寄合を運営しながら対話を繰り返し、また体力的に厳しい作業については移住者や移住者が持つコミュニティ(例えば大学の研究室のメンバーや企業が開催するワークショップ参加者)とも連携して運営をしている。そして空き家古民家のリノベーションを行い、村外部とのコミュニティを開き、もとよりあった古民家の屋号を使って新旧の人々が新たな家同士のつながりを示すなど、刷新ではなく協調対話による運営に大きく寄与している。すべてにおいてうまく新旧住民がコミュニケーションが取れるとは限らないが、新たなむらの協業関係について見てとることができた。
八丈町においては、移住に関わる文献渉猟を行ったが、現地取材に訪れることはできなかった。2024年度は双方共に半農半X的なライフスタイルの可能性について、聞き取りを行ってみたいと考えている。合わせて過疎化している農村における移住者の状況について、これまで現地調査をしたフィールドである新潟県村上市を調べたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

鴨川市における調査活動では、移住者がむらの活動を支えていくプロセスと、むら外との関わり、人的ネットワークのあり方について検討を行った。また、対象とした釜沼集落の民俗慣行の概要をおさえる調査活動に着手したばかりではあるが、茅葺き屋根のモヤイ、親族関係とは別に関わる、もっとも関わりの深い家として関係を結ぶ民俗慣行であるジミョウ(地名)関係などを把握できた。
いっぽうで、八丈町では、調査に入ることが本務の勤務時間の制約で行えず、史料の整理のみしかできなかった。今後移住定着した人への聞き取りを行いながら、全体像を把握していく必要を感じている。

今後の研究の推進方策

鴨川市については①対象としている釜沼集落の民俗慣行をひきつづき把握する②2000年代から新たに入ってきた移住者の、いわゆるライフスタイル移住のあり方について検討をする、の2点を意識して調査活動を行う。
八丈町については、①移住のサポートをするNPO法人の活動概要を知る②現実に移住した方を対象に定着までのプロセスと、定住した地区におけるつきあいのあり方について聞き取り調査を行う、の2点を意識して調査活動を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 経済更生計画策定前に改善を指摘された民俗慣行2024

    • 著者名/発表者名
      和田健
    • 雑誌名

      人文研究

      巻: 33 ページ: 205-222

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 移住者によって創造されるむらの協業関係 : 釜沼北民俗誌序説(1)2023

    • 著者名/発表者名
      和田 健
    • 雑誌名

      千葉大学国際教養学研究 = Journal of Liberal Arts and Sciences, Chiba University

      巻: 7 ページ: 1-18

    • DOI

      10.20776/S24326291-7-P1

    • URL

      https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900121513/

    • 年月日
      2023-03-31
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 移住者が創る中山間農村のこれから-鴨川市大山地区釜沼北に継続的に関わって-2023

    • 著者名/発表者名
      和田健
    • 学会等名
      房総民俗研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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