研究課題/領域番号 |
22K01113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大江 洋 岡山大学, 教育学研究科, 特命教授 (80308098)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 子どもの権利 / 子どもの道徳的・法的地位 / 生殖・出生の倫理 / 生殖倫理学 / 出生倫理 |
研究開始時の研究の概要 |
親子法制の再構築問題に関わっては、養育上(出生後)の問題に加えて、出生前・出生時(周産期)においても具体的課題は山積している。広く人権観念を前提とする限り、「子どもたちはこの世界に生まれ育てられることに同意することができない」がゆえに、出生をめぐる選択は子どもを巻き込む。それにまつわる核心的問いこそが本研究の主題である「子どもを出生させてなぜ良いのか」なのであり、その論点を包括的・哲学的に考察する。
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研究実績の概要 |
2023年度の研究実績の主たる点は、本研究の試論的論文を執筆したことである(2024年度内に発表予定)。「出生・生殖の正当化原理について」というタイトルの下、次のような論述を行った。まず、第1章において「なぜ出生・生殖問題なのか」という問題意識から検討を始めた。そこでは、科学・医療技術の進展を背景とした場合の出生・生殖問題が焦点化しているという現状認識から、現代的優生思想問題とも言える問題を含め、考察の必要性を提起した。さらに、人権理念の拡張という視点から、子どもの立場から考察する出生・生殖問題の重要性を指摘した。 第2章においては、出生・生殖(全面)肯定の根拠論を検討した。具体的には、(1)宗教的正当化について古来よりの論点を取り上げ、次に、(2)家族および国家・社会に向けての出生・生殖の正当化問題について検討を行った。さらに、(3)子ども自身の権利利益からの正当化として、子ども自身の立場からの検討を進めた。章の最後には、(4)生殖権・生殖の自由という観点から、産む側にとっての正当化理由を検討した。 第3章においては、出生・生殖(全面)制約・否定の根拠論を検討した。具体的には、大きく(1)同意不在による制約論と(2)帰結主義的制約・否定論(主としてベネターによる反出生主義的主張)を検討した。 第4章においては、出生・生殖正当化原理論として次のような論点を検討した。(1)おとな側の不可避的主導性 (2)益―害比較論およびリスク重視論 (3)子どもの道徳的・法的地位である。 最後にまとめして、残された課題を整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記、研究実績の概要で言及したように、試論的論文を作成したことにより、おおむね研究計画は進捗していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
上記の試論的論文を骨格として、さらに詳細な論述を進め、単著化することを計画している。
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