• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

近世近代移行期の日本における西洋法政関連語の訳出に関する研究:蘭語史料を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 22K01117
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05010:基礎法学関連
研究機関中央大学

研究代表者

山口 亮介  中央大学, 法学部, 教授 (80608919)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード日本法史 / 法の継受 / 法の摂取 / 蘭学 / 洋学 / 翻訳 / 近代法
研究開始時の研究の概要

本研究課題は、19世紀の日本において主に蘭書原典等からの翻訳を通じて刊行されたテキストのうち、法や政治に関わる情報を含む文献等についての調査を行うとともに、それらのテキストにみえる法政関連語彙の訳語を抽出・整理してその翻訳の特徴や傾向の分析を行う。こうした作業を通じて、本研究は日本法史上の西洋近代法継受にかかわる研究史上の空白地帯ともいうべき、近世後期以降の日本におけるオランダ法学識の翻訳を通じた近代法概念の認識と理解の射程及びその限界を検討するための確固たる研究基盤を形成することを目的とする。

研究実績の概要

2023年度は、蘭学・洋学関係史料の所蔵機関のなかでも津田真道等の明治期以降の西洋近代法翻訳にも携わる人物と関係が深い津山洋学資料館の所蔵資料を中心に調査を行った。とりわけ、明治3年に箕作麟祥によって訳出されていた『仏蘭西法律書 建国法』が、明治6年文部省刊行版の『仏蘭西法律書憲法』の前提をなす草稿というべき史料であることを確認するとともに、同書における訳語の選定などに江戸後期以来の蘭学者・洋学者らの訳業との繋がりを示唆すると思われる諸要素を確認できた。これ以外にも、同館の所蔵史料につき関連する蘭書のリスト化作業を行うとともに、関連テキストに見られる用語の分析などを一部行うことができた。
このほか、前年度に法・権利概念に関するキーワードの存在を幾つか確認することができたJ.F. van Overmeer Fisscher, Bijdrage tot de kennis vanhet Japansche rijk, 1833についても、その訳書たる『フィッセル日本風俗備考』(山路諧孝(監修)、杉田成卿・箕作阮甫(訳))との対照を行いつつ、関連用語の抽出作業を進めることができた。
また、蘭書ではなく蘭書を出発点としつつその後に進められたフランス法の摂取と受容に関するものではあるが、近代法と伝統的法観念に関する寄稿依頼を受けたことから、『史潮』誌に「明治初期民事裁判手続における伺のなかのフランス法と伝統的観念」を寄稿した。これも本研究と基本的な問題意識を同じくするものである。
なお、この間伊藤孝夫『日本近代法史講義』(有斐閣・2024年)が刊行され、その書評報告の機会を得た。同書には「西洋法の翻訳」という項目が設けられていることにも関連して、この報告のなかでは、日本における「近代」の区分を考える上で、本研究課題の問題意識を踏まえた蘭学を基礎とした法の摂取についての指摘を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、津山洋学資料館をはじめとする資料所蔵機関に出張しての史料閲覧・蒐集作業を進め、資料館から許可を得たものについては史料撮影等を行いながら目録整理等の作業を進めることができた。この意味では、研究は順調に進めることができたといえる。
とはいえ、本年度は史料の把握と読解が中心となったため、その史料整理等の作業を予定していた史料紹介のかたちにまとめるには今しばらく時間がかかり、公表するまでには至らなかった。このように業績公表という意味では進捗はやや遅れていると判断せざるを得ない。
以上のことから、進捗状況は(3)と判断した。

今後の研究の推進方策

2024年度前半期は、本年度までの作業の成果を史料紹介や研究ノートの形式にて順次公表するべく作業を行う予定である。
以上に加えて、夏季休業期間を利用して以上に加えて次年度はライデン大学およびオランダ王立図書館に海外出張を行い、翻訳蘭書の原典テキストや関連テキストの蒐集を行う。それ以後の期間には、その作業を踏まえて訳書と原典の対照分析を進めていきたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 明治初期民事裁判手続における伺のなかのフランス法と伝統的観念2023

    • 著者名/発表者名
      山口亮介
    • 雑誌名

      史潮

      巻: 新93 ページ: 3-24

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 伊藤孝夫『日本近代法史講義』書評報告:近代法の形成と確立――「近代法」の枠組みを中心に2023

    • 著者名/発表者名
      山口亮介
    • 学会等名
      法制史学会東京部会第285回例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本法制史の時代区分における近代法――「国家」と「社会」へのまなざしを中心に2022

    • 著者名/発表者名
      山口亮介
    • 学会等名
      法制史学会東京部会第282回例会 ワークショップ「日本近代法制史と時代区分論」
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 概説日本法制史(第11章 刑事法の近代的展開(山口亮介))2023

    • 著者名/発表者名
      出口 雄一、神野 潔、十川 陽一、山本 英貴
    • 総ページ数
      564
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      9784335359545
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi