研究課題/領域番号 |
22K01138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
福永 実 広島大学, 人間社会科学研究科(法), 教授 (10386526)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 制定法解釈 |
研究開始時の研究の概要 |
①本研究はこれまで日本の法解釈学があまり比較対象としてこなかったアメリカ法を措定し,同国での公法解釈方法論の最新動向を分析することで我が国の公法解釈方法論の体系化を模索する。②次に,アメリカでの公法教育方法論の状況を分析する。近年,アメリカのロースクールでは1年次で法解釈方法論と行政法初級を融合する教育が行われており,我が国の法科大学院の教育方法論が参照すべき情報は多いが,この点は①のアメリカにおける法解釈方法論の理論的動向と無関係ではない。そこで①の点の分析を踏まえ②我が国の公法教育の改善点の視座を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は「公法解釈方法の日米比較分析とそれに基く公法教育方法論の構築」と題するものである。近年,我が国の公法学界では公法解釈の方法について一定の関心が高まりつつあるが,その具体的体系化には至っていない。そこで本研究はアメリカ法を参照し,同国での公法解釈方法論の最新動向を分析することで我が国の公法解釈方法論の体系化を模索する。 本年度は,アメリカ法解釈学の「解釈原則(canons of construction)」の基礎概念を整理した。解釈原則とは,裁判官が制定法や契約の文言を解釈する際に伝統的に用いてきた推定則をいう。クリシュナクマールとノースは,解釈原則の成立条件として,それが法的共同体の中での「確立した慣例(established convention)」であることを要するとし,またその指標として,①合衆国連邦最高裁において当該原則が援用されてきた頻度・規則性・一貫性,②当該原則の存続期間の程度,③当該原則の正当性(とりわけ法律家集団内における慣行成立の程度),④最高裁が当該原則を一般的に適用可能な原則であると明確に宣言したかどうか,を挙げている。この考え方を参考に解釈原則の名の付くものを網羅的に取り上げることはせず,ある程度,慣行化されたと考えられる解釈原則を言語的解釈原則と実体的解釈原則に分けて概観しつつ,上記①についての実証分析を研究した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は4年間を目標に,初年度を本研究の関連文献の収集・分析にあて,2~3年目を研究調査と中間成果発表,4年目を最終研究成果の発表にあてる計画である。 2023年度は,前年度までの研究整理を踏まえて,「解釈原則論」に関する研究論文の執筆活動に入り,広島法学47巻3号(2024年)に連載初号を掲載した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は解釈原則の基礎理論を概観の上で言語的解釈原則と実体的解釈原則に分けてその理論的正当性を検討し,若干の整理・検討を行って結びとする。概ね,2024年度内に連載論文の続編を一つ書き上げる予定である。
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