研究課題/領域番号 |
22K01140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
上拂 耕生 熊本県立大学, 総合管理学部, 教授 (40405569)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 個人情報保護 / 行政法の基本原則 / デジタル社会 / 共通法理 / プライバシー権 / 中国個人情報保護法 / 台湾個人情報保護法 / 共通原則 / 行政法の共通法理 / 東アジア圏域 / 法治主義 / 損失補償 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症対策では、欧米先進諸国だけでなく、台湾・中国など近隣東アジア諸国の対策も注目された。そこで本研究では、法律による行政の原理(法治主義)、損失補償、個人情報保護など行政法の基礎概念・理論について、日本・台湾・中国の比較行政法制度研究を通して、東アジア圏域における行政法の共通原則のあり方を検討し、さらにその形成にあたっての理論的および実際的な課題を明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
令和5年度においては、令和4年度には台湾における個人情報保護の基本原則を確認したので、デジタル時代の進展にともなう台湾の個人情報保護法制(個人情報保護の基本ルール)の対応を検討し、その成果を1つの研究論文にまとめた(拙稿「台湾における「デジタル防疫」と個人情報保護」紀要『アドミニストレーション』第30巻1号(2023年11月))。いわゆる新型コロナウイルス感染症対策におけるデジタル技術の活用と、その際に問題となる個人データの利用を個人情報保護ルールとの関係で、台湾の行政機関はどのように対応し、どのような法的問題が議論されているかを整理分析して考察した研究論文である。今後は、中国の個人情報保護法を踏まえた、日中台の比較行政法研究につなげたいと考えている。また、2023年12月初旬に1週間ほど、台湾(台北市・台南市)への現地調査をし、台湾における行政法の基本原則の状況について台湾人学者と意見交換やヒアリング調査をするとともに、日本の行政法学が台湾行政法の発展に与えた影響に関する研究資料の収集などを行った。このほか、2024年11月に早稲田大学にて開催された日中公法学シンポジウムに参加し、デジタル社会の進展に対応した中国の個人情報保護法制の現状と問題点について、中国人学者と意見交換した。中国の渡航には依然として諸制限が多い状況であったので、非常に有意義な機会となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、日本・中国・台湾における行政法の共通法理の形成と発展について、個人情報保護の領域を中心に、またデジタル社会やテクノロジーの進展に伴う行政法の展開を念頭に、研究を進めるものであるが、前述したように、研究論文「台湾における「デジタル防疫」と個人情報保護」を発表できたことは1つの成果である。また、コロナ禍の影響もある程度解消され、台湾地域へはほぼ制限なく渡航できるようになり、必要な現地調査を行うことができた。中国への渡航にはまだ一定の制限があるが、日中公法学シンポジウムにおいて、多くの中国人行政法学者と情報交換をすることができた。ただ、中国への現地調査は達成されておらず、中国行政法の状況に関する研究は手つかずのままなので、研究の進捗状況は当初の予定よりやや遅れているが、大幅な遅れではなく、想定の範囲内と言える。
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今後の研究の推進方策 |
2024年5月には中国政法大学(北京市)に招へいを受けて、ようやく中国に訪問する予定である。これを機に、中国人行政法学者との意見交換、資料収集等を充分に行い、中国行政法の状況と問題に関する研究も進展させたい。また、台湾へも8月以降に渡航し、現地調査を行う予定である。9月の学会報告では、中国の党政融合改革と行政法との関係について研究発表する予定である。
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