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表現の自由と自己統治論をめぐる歴史研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K01145
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05020:公法学関連
研究機関同志社大学

研究代表者

桧垣 伸次  同志社大学, 法学部, 教授 (00631954)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード表現の自由 / 自己統治 / ルイス・D・ブランダイス / 表現の自由の武器化 / ラーネッド・ハンド / 民主政
研究開始時の研究の概要

本研究では、表現の自由を支える根拠としてしばしば指摘される自己統治論(表現の自由は、民主政の過程を維持するために不可欠であるために特別な保護が必要であるとする議論)に、アメリカ最高裁で初めて言及したとされるルイス・D・ブランダイス裁判官の表現の自由論を検討する。ブランダイス裁判官の表現の自由論がどのように形成・発展してきたのかを検討して、それが後に最高裁にどのように受容されていったのかを検討する。そうすることで、現代的な問題を考える際の基礎理論を提供することが本研究の最終的な目的である。

研究実績の概要

本研究は、表現の自由を支える根拠としてしばしば指摘される、「自己統治」の価値について、それがアメリカの最高裁においてどのように受け入れられてきたのかを検討し、現在の表現の自由をめぐる諸問題に示唆を与えるものである。
本年度は、①1969年のブランデンバーグ対オハイオ(Brandenburg v. Ohio, 395 U.S. 444 (1969))について、その歴史的意義や判決が形成される過程について検討した。同判決について、アメリカの著名なケースブックなどでは、ルイス・D・ブランダイス裁判官およびオリバー・ウェンデル・ホームズ裁判官の「明白かつ現在の危険」の基準と、ラーネッド・ハンド裁判官の「直接の煽動」の基準を組み合わせたものであると指摘されている。本研究では、ブランダイス裁判官に大きな影響を与えたとされるハンド裁判官の表現の自由論を中心に、ブランデンバーグ基準について検討した。
また、②ロバーツ・コートの表現の自由論についても研究も行った。近年、従来の表現の自由が論じられてきた前提が揺らいでおり、なぜ表現の自由が保障されるのかについて問い直す動きもあることが指摘される。本研究では、ロバーツ・コートの諸判決や、その背景を解きほぐして検討することで、従来の表現の自由論との相違を考察した。また、近年指摘される表現の自由の「武器化」という問題について、司法行動論の観点から検討した。これらの研究結果は、2024年度前半に公表される予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究はやや遅れている。当初はブランダイス裁判官に大いに影響を与えたといわれているトマス・ジェファーソンと5世紀のギリシャ共和政について検討する予定だったが、近年の表現の自由論についても検討する必要があると感じたため、一部研究の順序を変更するなどした。そのため、当初の計画にずれが生じた。
ただし、研究に必要な文献は十分に収集できている。本年度に刊行された重要な文献の多くは入手できたため、今度の研究の準備は進んでいる。

今後の研究の推進方策

2024年度は、引き続きトマス・ジェファーソンと5世紀のギリシャ共和政の民主主義論がどのようなもので、それがホイットニー判決にどのように顕れているのかを検討する。また、本年度は実施できなかった、海外での資料収集を行う予定である。
2024年度は最終年度であるため、これまでの取りまとめができるよう意識して研究を行っていく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] ブランデンバーグ基準に関する一考察――Learned Hand裁判官の影響について考える――2023

    • 著者名/発表者名
      桧垣伸次
    • 雑誌名

      同志社法学

      巻: 75巻4号 ページ: 507-529

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] BOOK REVIEW: Hate Speech in Asia and Europe: Beyond Hate and Fear Eds. by Myungkoo Kang, Marie-Orange Rive-Lasan, Wooja Kim and Philippa Hall, London and New York: Routledge, 20202023

    • 著者名/発表者名
      Shinji Higaki
    • 雑誌名

      Asia-Japan Research Academic Bulletin

      巻: 4 ページ: 1-4

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例は、憲法21条1項に違反しないとされた事例2023

    • 著者名/発表者名
      桧垣伸次
    • 雑誌名

      判例秘書ジャーナル

      巻: - ページ: 1-8

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] グローバル時代の人権保障2024

    • 著者名/発表者名
      吉田仁美
    • 総ページ数
      310
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      9784771038356
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] アメリカ最高裁とロバーツ・コート ―先例拘束原理の展開―2024

    • 著者名/発表者名
      宮川成雄
    • 総ページ数
      352
    • 出版者
      成文堂
    • ISBN
      9784792307325
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 多様化するアメリカと合衆国最高裁判所2023

    • 著者名/発表者名
      中村 民雄
    • 総ページ数
      262
    • 出版者
      成文堂
    • ISBN
      9784792307165
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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