研究課題/領域番号 |
22K01158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
堀口 悟郎 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (40755807)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 大学評価制度 / 大学財政 / 学問の自由 / 大学の自治 / 学問共同体の自律 / 研究者の独立 / 大学教員の独立 / 教育者の独立 / 大学評価 |
研究開始時の研究の概要 |
今日の日本に定着した「大学評価制度」は、大学における研究・教育活動や、究極的には大学の存続そのものにまで影響をもたらす制度である。そのため、大学評価のあり方は、憲法23条が保障する「学問の自由」と無関係ではありえない。しかしながら、憲法23条について「研究者個人の学問の自由」および「大学の自治」を保障したものと解する通説を前提にするならば、大学評価を同条に関する問題として捉えることは難しい。なぜなら、大学評価は、国が研究者の研究・教育活動や大学の運営を直接規制する制度ではないからである。そこで、本研究では、大学評価制度を統制しうる、新たな学問の自由論の構築をめざす。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、大学評価制度およびそれをめぐる学問の自由論の日仏比較をとおして、大学評価制度を統制しうる学問の自由論の構築をめざすものである。 本年度は、この研究目的に基づき、日本における大学評価制度および大学財政をめぐる従来の学説を検討した。そして、憲法23条の保障内容を狭義の学問の自由および大学の自治(特に教員人事の教授会自治)に限定していた伝統的通説のみならず、財政自治権の重要性を説いた高柳信一説によっても、競争的資金の配分等に結びつく大学評価制度という「大学界」全体に関わる問題には対応することが困難であることを明らかにした。 また、2020年秋に生じた日本学術会議任命拒否事件以降、憲法学において有力化している、憲法23条によって「学問共同体の自律」が保障されるとする見解について考察した。ここでいう「学問共同体」の定義については必ずしも議論が詰められていないが、それが「大学の自治」の主体として念頭に置かれてきた各大学や教授会よりも広い概念であることは共通認識となっている。大学評価制度のような「大学界」全体に関わる問題も、大学界(より厳密には、評価される側の研究者集団と評価する側の研究者集団の総体)を学問共同体と捉えることができれば、憲法23条の射程内に取り込むことが可能になる。そのため、学問共同体の自律は、大学評価制度を統制する憲法規範として期待することができる。 もっとも、問題は、学問の自由を保障した憲法23条から、なぜ「学問共同体の自律」を導き出せるのかという、論拠である。この点について、多数の論者は、いわば大学の自治を「拡張」するかたちで学問共同体の自律を導いているが、本研究では、大学の自治とは区別された「大学教員の独立」ないし「研究者の独立」という憲法規範を媒介にして導く、という私見を提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
元々計画していた、フランスにおける大学評価制度の調査については、十分に進めることができなかった。しかし、その代わりに、日本における大学評価制度について多数の文献を読み進めるとともに、大学評価制度や大学財政に関わる日本の憲法学説を批判的に検討し、それらの限界を明らかにすることができた。そして、後掲のとおり、日本公法学会での報告「自律的規範論――学問共同体の自律を中心に」や、教育学年報に掲載された論文「学問の自由と民主主義に関する一考察――学問の自由は大学評価制度を統制しうるか」など、相当数の研究成果を発表することができた。したがって、研究はおおむね順調に進展しているものといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2025年度以降は、フランスにおける大学評価制度およびそれをめぐる憲法学上の議論について、検討を進めたい。また、日本における大学評価制度についても、2024年度までの総論的な検討をベースにしつつ、より各論的な検討を行いたい。
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