研究課題/領域番号 |
22K01184
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05040:社会法学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
石田 道彦 金沢大学, 法学系, 教授 (10295016)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 機能分担 / 一次医療 / かかりつけ医 / 社会保険 / 医療保障 / 二次医療 / 再編統合 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国医療提供体制は「かかりつけ医」による初期診療(一次医療)と、主に病院で提供される入院医療・専門的診療(二次医療)との間に厳格な区別を設けてこなかった。今後の医療提供体制において一次医療・二次医療の再編成が進められていった場合、医療提供のあり方に関して各種の問題が生じることが予想される。本研究は、わが国医療提供体制が一次医療・二次医療の区分を明確化したシステムに移行するにあたって生じる法的諸問題を検討し、国際比較を通じて望ましい医療提供体制のあり方を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
アメリカおよびイギリスの一次医療、二次医療の構造について基礎的検討を進めた。特にイギリスについては、2022年4月に成立したHeatlh and Care Act の下で、統合的な医療システムの構築が進められており、この点に考慮しつつ、一次医療と二次医療の関係、連結方法について分析を行った。検討結果の一部は、イギリス医療保障制度に関する調査報告書として公表した。上記の作業と並行して、わが国におけるかかりつけ医のあり方について検討を進めた。わが国の社会保険医療は、イギリスのようにすべての住民がかかりつけ医に登録を行う体制が取りにくい構造となっている。そのため、現行制度において導入可能なかかりつけ医のあり方について、高齢者医療とそれ以外の者の医療に分けて考察を行い、前者については、介護や生活支援との関連を意識した制度設計、後者については医療保険の保健事業を活用した制度の発展可能性があることを示した。また、わが国における医療施策全般について、2010年代以降の改革の意義を踏まえた検討を行い、都道府県知事への報告制度や、特定の医療機関受診時に定額の患者負担を求める制度の導入により、わが国においても、一次医療と二次医療の機能分担が部分的に図られていることを確認した。これらの検討結果については、日本社会保障法学会での学会報告と論文2本において公表した。このほか、わが国における保険者と保険医療機関の法的関係に関する論文1本とアメリカの薬剤師、薬局制度に関する論文1本を執筆し、公表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目の研究計画に予定していた研究課題について順調に作業を進めることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づき、英米における一次医療と二次医療の関係についてさらに考察を深める。とくにイギリスについては、2022年の立法によって導入された統合ケアシステムとプライマリケアネットワークのそれぞれの役割と相互関係について分析を進める。また、わが国における制度の展開については、紹介受診重点医療機関とかかりつけ医の関係、かかりつけ医機能報告制度の機能について分析を進める予定である。
|